スタンバイモードで電源操作が不要なのが
実利用的にはとっても便利
さてASCII.jp編集部でも短時間ながら、テスト機を試用することができた(詳細なレビューについては後日掲載予定)。
前述のようにWAN側は3G/無線LAN(IEEE802.11a/b/g)/有線LANの3種類が自動で選択される。3G回線は言わずもがなだが、無線LANについては公衆無線LANのスポットのエリアに入った場合などを想定している。有線LANについては付属のクレードル側に端子が用意されている。自宅のブロードバンド回線に接続して使うケースが考えられる。
LAN側はWAN側の無線LANとは別にIEEE802.11b/gの無線LANが用意されている。つまりPCやiPhone、ゲーム機などの無線LANクライアントからは現在のインターネット回線が何であるかを意識せずに、同じ無線LAN設定で利用できるというワケだ。
今回は3G回線経由でのみ利用したが、NTTドコモのFOMA網を利用しているということもあり、ビルの地下などを含めサービスエリアはやはり広い。今回は都市部の数ヵ所で用いたため、速度的には平均して1Mbps程度だったが、モバイル環境での回線としては不満がない。なおハードウェアのスペックとしては下り7.2Mbps/上り5.7MbpsのHSDPA/HSUPAに対応。また、800MHz帯のFOMAプラスエリアでの利用も可能である。
バッテリ駆動時間はスペック上は6時間。詳細なテストというわけではないが、普段の仕事で断続的に回線を利用しつづけた場合でも約5時間の利用が可能だった。ちなみに充電用コネクタは通常のminiUSBタイプなので、PCに接続して充電しながら利用したり、また外付けバッテリと組み合わせるなど、電源周りには柔軟性がありそうだ。
ちなみに電源オフ状態から電源ボタンを押し、3G回線が利用できるようになるまでは1分強かかる。この待ち時間は同種の製品と比べて長めだが、その代わりにDWR-PGにはスタンバイモードが用意されている。これは一定時間(デフォルトでは1分後)無線LANのクライアントが接続されていない場合に自動移行するモードで、WAN側の回線は一旦切断される。
一方でLAN側の無線LANはそのまま動作しており、クライアントから無線LANでの接続要求があった場合に、数秒程度でWAN側の回線も復帰してくれる。つまり無線LANが繋がったときには、ほぼそのままインターネット回線も利用できるようになっている。また、このスタンバイモードがあるため、カバンの中に入ったDWR-PGを取り出して電源スイッチを押す操作が不要だ。
スタンバイモード時のバッテリ駆動時間は約30時間。どの程度の時間、インターネットに接続するかという部分の兼ね合いもあるが、断続的に利用する程度であれば、家を出てから帰ってくるまで充電操作も電源操作も無しで無線LAN経由のインターネット接続が利用できる計算になる。
本体価格については前ページのとおりだが、月額の利用料金についてはドコモ夏モデル発表会にもあったように、2年契約を前提とした「定額データスタンダード割」の新キャンペーンが適用され、通常月5985円の上限が1年間に限り月4410円となる。WiMAXやイー・モバイルなどにも同種のモバイルルーターがあり、すでに人気を呼んでいるが、回線的にも機能的にも真打ち的な存在になってきそうだ。