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このコラボがすごい! ボカロ人気曲「ARiA」の舞台裏

2010年06月05日 12時00分更新

文● 広田稔

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メンバーは「たまたま」集まってきた

── とくさんは、今回コラボしたみなさんと、どうやって出会われたんでしょうか?

toku 最初に知り合ったのは、refeiaさんですね。Twitterで知り合った別の方のIRCにrefeiaさんがいらしたんです。初期のTwitterは動作が重かったので、じっくり会話をする場合はIRCやSkypeのグループチャットに退避していたんです。

 当時、ニコ動に投稿した動画で「この作品はCDになりませんか?」というコメントを見かけて、「同人ってどうやったらいいですかね」と相談している中で、refeiaさんのIRCに呼んでいただいて仲良くなって「SPiCa」など何作品か絵を描いてもらったんです。そのIRCにすりーぷ(sleepwalker)さんがいらっしゃった。

sleepwalker とくさんとは実はちょくちょく飲み会とかで会っていたんです。ニコ動に投稿するたびに、自分で動画を作られていたのを知っていたので、本業が動画制作の身として「どうすか?」ってアピールしていたんですが、上手く噛み合わなかった(笑)。

 ARiAは、とくさんが制作過程を流していたUSTREAMで知って、参加を申し込みました。映像のまとめ役に加えて、ギターも弾いています。あと、木緒さんは僕が誘いました。

sleepwalkerさん


sleepwalker【映像制作・ギター】

 バンダイ・ミュージックエンタテインメントから「No Fear」のギタリストとしてメジャーデビュー。その後映像業界へ転向して、フリーランスに。企業VPからゲームムービーまで幅広く手がける。現在は映像、音楽、イラストなど多方面に進出中のハイパーメディアクリエイター。


木緒 たまたま同じ時期に僕とrefeiaさんとすりーぷさんが近所だったことが分かって仲良くなったんです。3人とも「さびしんぼう」なのでみんな集まってよくご飯を食べて、その後にすりーぷさんの家に行って休憩しながらだべるというのが常だったんです。

sleepwalker で、うちに行く車の中でARiAの話をしていたという。

木緒 ARiAの元になる曲を聴いて「うわ、すげぇ。これ良い曲になっちゃう気がする」って言い出して(笑)。そうしたらすりーぷさんがニヤニヤしながら、「歌詞まだなんですよ」「僕、PV作るんですよ」って切り出してきたので、「乗ります!」って返事をしたんです。すりーぷさんの家でSkypeでとくさんと初めて話して、ロゴとグラフィックデザイン、歌詞を担当することになりました。

木緒なちさん


木緒なち【デザイン・作詞】

 大阪府出身。デザイン事務所、広告代理店にてデザイナー、アートディレクターとして勤務し、26歳の時に独立。現在はコミックスの装幀、ゲームのロゴデザイン、及びシナリオライターとして活動。主な実績に「ひだまりスケッチ」(芳文社)の装丁、一迅社文庫(一迅社)フォーマットデザイン、Scarlett(ねこねこソフト)シナリオなど。


── ORYOさんは、どういった流れで参加したんですか?

ORYO 自分は、もともととくさんのファンだったんです。今までずっと生音で音楽を作ってきて、DTM初心者だったので、ほかの人がどうやって作曲しているのかが知りたかった。それでUSTREAMを見に行って、かっこいい曲だなーと思っていたら、いきなり「楽器何できるの?」って話しかけられて(笑)。

ORYOさん


ORYO(タンバリンP)【ベース】

 とにかく「タンバリン」と連呼していたために「タンバリンP」の名を授かる。GACKT本人選考によるがくっぽいどコンテストにて優秀作品に選ばれるなど、投稿楽曲は少ないながらも、印象的な楽曲を投稿している(ニコ動の作品リスト)。


── いきなり「やらないか」という。

ORYO 「ギターとベースができます」と返事をしたら、じゃあ「ベースね」って返ってきたんですよね。「どっちがいい」って話じゃなくて。そもそも本当はギタリストなんですよ(笑)。ニコ動では「タンバリンP」として活動していますが、その時点では、まずとくさんが自分のことを知ってるのか、それすら分からなかったんです。

toku 知ってましたよ。「がっくぽいどコンテスト」で、「【神威がくぽ】声【オリジナル】」が優秀作品に選ばれたのを見ていて、いろいろなことができるんだなと見ていました。「楽器何できる?」って聞いたときに「ちょっと……」って返ってきたら頼むのをやめようかと思っていたんですけど、「できる」って返ってきたんでお願いしたんです。


── linoさんもUSTREAMですか?

lino そうですね。私はSPiCaがすごく好きで、どういう風に曲を作っているか知りたくて見ていたんです。そうしたら、「linoさん、作詞とかしない?」って言われて。

linoさん


lino【作詞】

 ニコニコ動画で「歌ってみた」歌手として活動中(ニコ動の作品リスト)。最近では歌ってみたライブなどにも精力的に参加している。


── また「やらないか」が!

lino これまでに作詞をさせていただいたのは1作品だけで、自分にできるのかが不安だったんですが、「星の歌」というコンセプトにそって作ってとくさんに送ってみたんです。そしたら「ああいいね。じゃあこういう風にしようか」ってほとんど変わって返ってきて……。


── ありゃ(笑)。linoさんに頼んだ理由は何ですか?

toku linoさんとはTwitterで@を飛ばす仲でしたし、他の方と同人音楽でコラボしているのも知っていました。そして、たまたまUSTREAMにいたので頼んでみたという。もちろん「歌ってみた」出身の方なので、この曲を歌ってほしかったってのもあります。変わったっていっても、韻を踏むための順序とか組み合わせくらいですよね……あれ?(笑)



(次ページに続く)



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