被写界深度を確認する
撮影時に被写界深度を確認する方法は3種類ある。まずひとつは「プレビューボタン」を押すことで、設定した絞り値にレンズを絞ってファインダー内で確認する方法。
しかし、この方法はファインダー内が実絞りで暗くなるため、F22などの大きな絞り値では暗すぎてしまい、どこまでピントが合っているのかもわからなくなる。目視なので多少の慣れも必要だ。
2つ目はレンズについた被写界深度目盛りで確認する方法。昔のレンズ、例えばマニュアルフォーカスの「ニッコールAi」レンズなどには普通にあったのだが、最近のAF-Sレンズなどには距離表示さえないものもある。このためコチラの方法はあまりお勧めできなくなってきている。
3つ目はデジタルカメラならではの方法だが、実際に1枚撮影して再生画像を確認すること。これが一番確実な方法かもしれない。
さて、絞りが同じ数値の場合、どのレンズでも同様の被写界深度が得られるのか? というと広角と望遠でそのレンズの焦点距離によって得られる被写界深度には違いがある。広角レンズでは被写界深度は深く、望遠レンズでは浅くなると覚えておこう。
さらに被写界深度は同じレンズにおいても、被写体との距離によって変わってくる。被写体との距離が近いときには狭く、遠いときには深くなるのだ(あくまで単純に何mの範囲にピントが合うのかといった場合)。
例えば広角レンズで2mの場所にピントを合わせたとき、F22に絞りを設定するとほぼ無限遠まで被写界深度を得ることができる。しかし近距離の40cmまで近寄ったときにはF22という一番絞った状態でも無限遠までは被写界深度が得られず、ピントがちゃんと合っていないように見える場合がある。
そして被写界深度は奥側(遠い方向)だけでなく手前にも深くなる。しかし、前述のとおり近距離方向ではその幅は少なくなるので奥側ほどにはピントは来ない。このような特性も覚えておこう。
絞りは絞れば絞るほど被写界深度は深くなるが、絞りすぎるとデメリットも出てくる。絞りの穴を光が通るとき、小さい絞りであればあるほど「回折現象」と呼ばれる画像のボケが発生してしまう。この現象を回避する方法はなく、求める被写界深度を得るためにボケるのを覚悟で絞らなければならない場合もある。
最近の高画素化したデジカメの写真なら、等倍や拡大した状態で写真を見ることは稀だろう。それでもボケが気になるようなら以前に説明した「ピクチャーコントロール」を使用して「輪郭強調」の設定を通常よりも高めに設定するか、撮影後のレタッチで対処するしかないだろう。
次回はシャッタースピードに関しての話をしたいと思う。
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