nauは皆で歌える歌
―― しつこいようですが、音楽配信サイトはいくつもありますよね。ユーザーの利便性で言えば、iTunesで買う方が全然簡単ですけど。
小寺 やはり、そこは「nauで売ったり買ったりする方が楽しい」ということを打ち出さなければ、と思ってます。nau自体をメディアにして、吸引力を持たせなければならないと思っていて。
―― 具体的にどうするんですか?
小寺 データ販売機能を持っていることで、いろんなメディアの人を巻き込んでいけるわけです。こないだもサイゾーの取材を受けたんですが、よろしかったら皆さんもうちで記事を売りませんか? みたいな話ができるわけです。nauがあるおかげで関係が一方通行にならずに、どんどんつながっていける。だって四本さんだってそうじゃないですか。
―― あ、ええ、はい。nauでアーティストのインタビューも売るんですよね。
小寺 以前、ASCII.jpでまつきの取材をしてもらって、そのときの原稿料を、四本さんがM.A.F.に募金してくれたのを見てて思いついたんですよ。インタビューの売上も、アーティストとインタビュアーで半分に分けることに決めています。
―― いや、僕が思ったのは、音楽雑誌のインタビューはレーベルが宣伝費を払って載せてもらうという体裁なわけですよ。で、ミュージシャンは普段からギャラをもらってて、プロモーションの一環として仕事でやるわけだけど、まつきさんはそうじゃなかった。インタビューは「する側」と「される側」で成り立つものだし、彼は募金口座を持っていたんで、そこに半分入れておくのが「正しい」と思ったんですね。
小寺 これからはメジャーの仕組みと関係なく活動するミュージシャンが増えるはずなので、それはやってみるべきことだと思うんです。雑誌を買ってインタビューを読んでも、ミュージシャンに直接お金は渡らない。でも、nauなら買われた分だけ支払える。これ、読むモチベーションになると思いますよ。
―― やりたいことがあふれている感じはすごく伝わってくるんですが、小寺さんにとってnauはどうなんですか?
小寺 自分名義のデビューシングルを出したような感じです。「絶対いい曲になると思うけどどうなんだ?」と。これは名曲になるぞという予感が僕にはあります。それが2010年のアンセムになって、それを最後にみんなで歌えたら最高ですね。nauは僕がみんなと一緒に歌いたい「歌」なんですよ。
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
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