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儲かるネットショップの「品揃え」 (8/8)

2010年05月07日 11時00分更新

文●市川智茂(漫画)、株式会社サーフボード(原作)

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「ネットショップは片手間ではダメ。リアル店舗と同じように真剣にやらないと」と江口明日香。子育ても同じと説く。その傍らで居眠りする娘の姿を見てはっとして時計を見るとすでにスーパーの閉店時刻に。「スーパーがしまっちゃう。時間よ止まれ」

田嶋校長のワンポイントアドバイス

ネットショップの品揃え=売れ筋にあらず

田嶋節和
株式会社サーフボード代表取締役/Webマスタースクール校長


 ネットショップだからといって実店舗に比べてコストがかからない、というのは大きな間違いです。ネットショップには梱包、配送、クレジット・コンビニ収納決済負担金、入金確認……と、実店舗にはないコストや手間がかかります。したがってその分、適正な粗利(粗利益)を確保しないと、いくら売上がアップしても必ず自転車操業に陥ってしまいます。

 粗利は、大手カタログ通販会社の場合で60~70%程度が目安です。個人ショップの場合は最低でも35~40%以上確保するとよいでしょう。


試算例:独自ドメイン店の場合

月商 200万円、粗利 35%、商品数 300点
平均購買単価 4000円(月注文件数 500件)
送料を店側が全額負担した場合

売上(月) 2,000,000円 (@4,000×500件)
売上原価 1,300,000円
売上総利益 700,000円 (粗利 35%)
   
パソコン/インターネット設備 15,000円
地代家賃、水道光熱費 50,000円
レンタルサーバー 12,000円
Web制作償却 42,000 円 (150万円/36カ月)
販促費 50,000円
配送料※ 250,000円 (@500×500件)
梱包・決済負担金 100,000円 (@200×500件)
519,000円
   
売上総利益 700,000円
営業経費 519,000円
営業利益 181,000円
※ただし、オープン当初は新規顧客獲得のため、リスティング広告費として20万円程度必要

 利益を上げるには、目的を持った「品揃え」が重要です。数量限定の「客寄せ商品」で新規顧客を獲得し、オリジナル商品などの粗利率が高い「メイン商品」で利益を稼ぐ。メイン商品と一緒に“ついで買い”ができる「少額商品」を揃えることで、客単価のアップを狙う――など、お客様が商品を購入する際の組み合わせをイメージしてネットショップ全体の品揃えを検討しましょう。

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