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目指せ快適! MacBook Pro長期レビュー 第21回

新旧13インチMacBook Pro、ベンチマークで勝負!

2010年05月06日 16時00分更新

文● 海上忍

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特にグラフィックでの違いが大

 ベンチマークは、定番ベンチマークソフト「Xbench 1.3」を利用して、旧13インチの下位機種(MB990J/A)と比較してみた。グラフィック統合チップセットはNVIDIA GeForce 9400MからNVIDIA GeForce 320Mへと更新されたものの、CPUは同じCore 2 Duoシリーズであり、基本的にはクロック数の上昇幅(2.26GHz→2.4GHz)相当の差と理解していいだろう。

 3D描画性能を検証すべく、3Dソフトで知られるマクソン・コンピューターの「CINEBENCH 11.5」も試してみた。こちらは歴然、旧モデルの5.51fpsに対し新モデルは10.15fpsと、1.8倍近い差を確認できた。

 Xbench 1.3のOpenGLテストでは僅差だった原因は明らかではないが、Xbench 1.3のリリース時期は2006年8月と古く、その後のAPIの改良に追随していないため差がつきにくい状況が生じているのではなかろうか。


Xbench 1.3の実行結果

メイン項目 サブ項目 新13インチMacBook Pro
(MC374J/A)
旧13インチMacBook Pro
(MB990J/A)
CPU Test 166.74 160.86
  GCD Loop 280.16 264.63
  Floating Point Basic 135.93 126.24
  vecLib FFT 107.08 108.39
  Floating Point Library 268.48 253.79
  Thread Test 230.52 219.34
  Computation 336.66 310.26
  Lock Contention 175.27 169.64
  Memory Test 190.87 175.54
  System 218.92 198
  Stream 169.19 157.65
Quartz Graphics Test 136.73 170.45
OpenGL Graphics Test 46.59 46.58
User Interface Test 14.63 12.61
Disk Test 48.15 41.09

CINEBENCH 11.5の実行結果

3Dベンチマークソフト「CINEBENCH 11.5」

新13インチMacBook Pro
(MC374J/A)
旧13インチMacBook Pro
(MB990J/A)
OpenGL 10.15fps 5.51fps
CPU 1.37pts 1.30fps

割り切ればベストな選択肢に!

 新しいMacBook Pro 13インチモデルは、これまで以上にコストパフォーマンスが高いマシンだと言っていい。CPUはデュアルコアのCore 2 Duo 2.4GHzで、メモリーはSnow Leopardにも十分な4GB。そのうえこれからの季節にありがたみを実感できそうなクールなアルミボディーとくれば、11万円台という価格はかなりリーズナブルだ。

 しかし特にパワーが必要なシーンでは、割り切りも必要になるかもしれない。Core 2 Duoなので、15/17インチモデルが備えているCore i5/i7のようにハイパースレッディング技術の恩恵は受けられない。高負荷の処理が発生したとき一時的にクロック周波数を引き上げる「ターボブースト」もない。グラフィックで言えば、専用のGPUを備えていない。

 これらの点を理解したうえで、より高い機動力が欲しい、優先させたい、というユーザーには13インチがベストな選択肢となるはずだ。


筆者紹介──海上忍


 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。



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