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松村太郎の“モバイル・ネイティブ”時代の誕生を見る 第7回

これは生活へのモノリスだ!~iPadで気になる5つのこと

2010年05月06日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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今週の1枚

【今週の1枚】空港のカフェにて。ノートパソコンより軽く、ネットブックよりかさばらないiPadは鞄を選ばず持ち運ぶことができる。クラウドを快適に行動範囲を広く活用できるデバイスとして、一足先にメリットを享受した

 アメリカで2010年4月3日に発売されたiPad。話題的には一段落しつつあるが、5月に入ると3G版が登場する。日本でも5月末の発売で、5月10日からはオンラインのApple Storeで注文受付が開始される予定だ。

 僕は4月5日にiPadを手に入れて、しばらくいろいろと触っている。お堅い内容はいろいろなメディアで指摘されていて、実際そのとおりだと思うので、もうちょっと直感的で感覚的な部分を、がんばって言葉にしていこうと思う。

iPadで気になること その1
2モデルのうち、どちらを選べばいい?

 自分で挙げた話題だが、いきなりの難問だ。iPadを発表したスピーチでスティーブ・ジョブズは、iPadについて「MacBookとiPhoneの間に位置するもの」と紹介していた。さらに付け加えて、ネットブックではないもの、とも語っていた。

 それはつまり、1つの見方としてネットブックと競合するポジションの製品と位置づけることができる。と書くと、キーボードの問題、拡張性の問題でネットブックの役割はまったく果たさない、という批判を招くかもしれない。しかしたとえば外出先でUstreamをしないのであれば、ウェブやメールがちゃんと使えれば満足な訳で、iPadでも十分なのだ。

 iPadを選ぶメリットとしては、とにかくシンプルであること。面倒な設定などはなく、買ってくればすぐにウェブにつながり、メールを読み始められる。

 もし家にほかのコンピュータがあって、ネット回線があるのであれば、Wi-FiモデルのiPadを選べば良い。もしネット回線がない場合は3Gモデルを選択すれば、ネット接続など関係なく、すぐにネットにつながっている状態になる。離れたところで生活をしていて、すぐにトラブルを設定しに帰れない両親や祖父母には、3Gモデルがピッタリな端末と言える。

 もし都市圏で過ごす場合は、Wi-Fiモデルで十分であり、かつ価格も安い。その理由を次に述べる。

iPadで気になること その2
iPad用のネット回線をいかに準備するか

 Wi-Fi版iPadには、いかにネット回線を用意するかという問題がある。ネットブックの場合、大手家電量販店ではイー・モバイルなどの通信アダプタとセットで購入すると割引するキャンペーンを常時展開している。

 iPadもこのようなキャンペーン込みで販売されるかどうかはわからないが、イー・モバイルとソフトバンクから登場している「Pocket WiFi」は強い味方になりそうだ。3Gの通信モジュールと無線LANルーターとバッテリーが一体化している製品で、3Gの電波が入るところならどこでも無線LANスポットを作ることができるのだ。

3G回線によるデータ通信サービスを無線LAN経由で複数のデバイスから利用可能にする「Pocket WiFi」。イー・モバイルとソフトバンクの2社から提供されている

 もう1点オススメしたいのが公衆無線LANサービスを利用すること。都心部の場合、スターバックスやタリーズといったカフェ、マクドナルド、地下鉄駅、空港などが既に無線LANのスポットになっている。さらに新幹線(N700系のみ)や成田エクスプレス、エアポートリムジンバスでも利用できる。

 実際のサービスとしてはNTTドコモの「Mzone」(ドコモ契約者なら月額800円、未契約者は月額1500円)、ワイヤレスゲート(ソフトバンクBBモバイルポイントなどが利用可能で、ヨドバシカメラで契約できる特別プランなら月額380円)がオススメで、僕はこの両方を契約している。

iPadのパッケージは、本体より一回り大きなサイズの平らな箱だ。取り出すとACアダプターとケーブル以外は、特に何も入っていない。初めて持ったときにWi-Fiモデルの680gを重いという人と、意外と軽いという人に二分されるのもおもしろい

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