いざ、お引越し
今回のリプレース作業には、旧テスト機で作成したTime Machineのバックアップデータを利用したわけだが、システム全体を引き継いだわけではない。転送したのは、特定ユーザーのホームフォルダー全体とインストール済のソフトなど、バックアップされたデータの一部だ。
システム全体を復元しなかった理由は、メインのユーザーアカウントのみコピーしたかったため。旧テスト機には、いくつかのユーザーがあったが、この移行を機にあまり使っていなかったものは削除したかったのだ。しかし、システム全体のコピーを指示すると、不要なアカウントまでコピーされてしまう。
加えて単一ユーザーを移すなら、作業が楽というのも理由だ。システム全体を復元する場合、まずはSnow LeopardのDVD-ROMから起動し、「ディスクユーティリティ」を使ってHDDをフォーマットしておかなければならない。
一方、一部の復元であれば、買ってきてそのままマシンを起動すればOKだ。メインで使用する言語などいくつかの質問のあと、情報を転送するかどうかを聞かれるので、ここで「Time Machineバックアップから」を選べばいい。あとは1〜2時間待てば、Time Machine上にある最も新しいユーザーデータの転送が始まり、使い慣れた環境が復元される。移行後、iTunesやiPhoneのライブラリを確認してみたが、バッチリ復元できているようだ。
ただし注意点がいくつかある。ひとつは、開発環境(Xcode Tools)がうまく復元されていないようで、移行先ではgccなどXcode Toolsに収録されたコマンドが使えなくなる。「アプリケーション」フォルダーにインストールされる一般的なソフトであれば、ほとんど問題ないはずだが、復元後は念のためひととおり動作を確認したほうがいいだろう。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
この連載の記事
-
第33回
iPhone
MacBook Proを快適に使うための一工夫 -
第32回
iPhone
MacBook Proがデスクトップ機になる? 「クラムシェルモード」の使い方 -
第31回
iPhone
MacBook Proの基盤「EFI」を知る -
第30回
iPhone
MacBook ProでiPhone 4のRetinaディスプレイを活用する -
第29回
iPhone
Macのメモリーを整理整頓 パフォーマンスを改善! -
第28回
iPhone
MobileMe、一新! さらに「iPhoneを探す」が便利に -
第27回
iPhone
夏目前! ラグジュアリーな冷却台をMacで検証 -
第26回
iPhone
iPad+Air Displayで、MacBook Proの作業を快適に!! -
第25回
iPhone
iPadからMacBook Proを遠隔操作してみた -
第24回
iPhone
映像&音声を1本で出力 Mac用HDMIアダプターを試す -
第23回
iPhone
MacBook Proとの相性バツグンの「mStand」(後編) - この連載の一覧へ