レノボ・ジャパンのThinkPad Wシリーズは、CAD/DCC/医療など、高度な演算処理と信頼性が求められる業界に向けたハイエンドノートPCだ。
「ThinkPad W701ds」は、新たにリリースされた製品で、デュアルディスプレーが特徴となっている。BTOに対応し、ノートPC用のCPUとしては最上位のCore i7-920XM(2GHz)を選択可能で、同じくノートPC向けでは最上位となるCADや3DCG作成の処理に特化したOpenGL系グラフィックスチップのNVIDIA Quadro FX 3800MXを搭載できる。
なお、最小構成価格はCPUにCore i7-720QM(1.60GHz)などを搭載し、直販価格は46万1580円。最高スペックを追及するとCore i7-920XM(2GHz)のほか、メモリーを16GBにして、128GBのSSDをRAID0構成にするといったことも可能で金額は102万3435円となる。
このように幅広いカスタマイズ性をもつThinkPad W701dsを用いて、OpenGLを使用するグラフィックスの処理能力と、ノートPCとしての使い勝手を確かめてみたい。
グラフィックス性能は、ミッドレンジ・デスクトップ向けに相当
今回試用したThinkPad W701dsは、CPUにCore i7-920XM(2GHz)、PC3-10600に準拠したメモリーを4GB、320GBのHDD、NVIDIA Quadro FX 3800Mなどを搭載している。直販価格で64万2075円の構成だ。
まずは注目の性能をCrystalMark 2004R3で計測した。総合スコアであるMarkは「212508」、CPU性能を表すALU(整数演算速度)は「40290」で、FPU(浮動小数点演算速度)は「36859」となった。そしてOGL(OpenGLでの3D描画性能)に関しては「73375」と高い値をマークしている。
ここで気になるのはノートPC用では最上位のNVIDIA Quadro FX 3800Mと、デスクトップ用OpenGL系グラフィックスカードとの性能差だ。さらに細かくテストするため、CADで作成した設計図や3DCGの表示速度を計測できるベンチマークソフト「SPECviewperf 10.0」を使用した。
そして、NVIDIAが公開している、SPECviewperf 10.0を使用したデスクトップ用OpenGL系グラフィックスカードのベンチマーク数値と比較してみた。
結果、CADソフトの性能を表すensight-03(CEI社の「Ensight」)、tcvis-01(Siemens PLM Software社の「UGS Teamcenter」)、ugnx-01(同「UGS NX 3」)の3項目で性能の高さが目立ち、デスクトップ用グラフィックスカードのNVIDIA Quadro FX 1700に相当する結果となった。
長時間のベンチマークだったがパームレストは、通常時と温度差を感じなかった。手汗をかかず作業にストレスを感じさせない。
続けてバッテリー駆動時間をBBenchで測定。キーストロークとWeb巡回機能をONにし、新規ページは常に別タブで開き続けるように設定した結果、1時間38分40秒となった。
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