水中マクロで自然界の臨場感をとらえろ!
続いて、水中でのデジタル顕微鏡モードを試してみた。なおロケ地は、上の写真のような清浄な湧き水の流れる谷川で、林間のため薄暗い場所である。水中にカメラを完全に沈めて、岩肌におよそ1cmまで近づけ、表面の植物を撮影したのが次の写真だ。撮影時の状況(シャッター速度が遅いため水面が流れている)からもかなり暗いことがわかるが、水の流れに細かく震える植物が鮮明に写されている。
一方、こちらはさらに暗い場所。Optio W90本体が影を作るため、水面上から見ていると中の様子はほとんどわからないのだが、液晶ファインダーで水面下の様子がよく見え、小さな砂粒まで写っている。被写体から少し離し、斜めにして撮影しても、LED照明の光が奥まで届いていることがわかる。
次の撮影サンプルは、水中の微細な昆虫(フタバコカゲロウの幼虫らしい)を撮ったものだ。プログラムモード+1cmマクロで、LED照明の有無を調節している。左は、自然光+ストロボ強制発光、右はLED照明の光だけで撮影している。
LED照明消灯時(ストロボ発光)では狙っている被写体が半透明の生き物であり、照度も足りないためにピントが背景の小石にあってしまっているが、LED照明側ではきちんとピントも合い、カゲロウ幼虫を写し出している。立体的に見えるのは前者(左)だが、生物観察写真としては右のLED照明付き選びたいものだ。
自然観察で使いこなしたい
リモコン機能と動画マクロ
前編の最後では、赤外線リモコンと動画撮影時のマクロについても触れておこう。自然観察のシーンでは、小さな世界をありのままに見たいことがある。肉眼での観察が難しい場合でも、Optio W90を使えば、その姿をとらえることができるのだ。
次なる撮影サンプルは、春先に可憐な姿を見せるカタクリの花。下を向いて咲くために、花の中心部を観察するときは鏡を使って覗き込むことが多い。このようなシチュエーションでは、スリムなOptio W90が活躍する。赤外線リモコンを使って操作すれば、無理な姿勢で構え続けることもない。
赤外線リモコン撮影時には、リモコン操作と同時にシャッターが切れる即レリーズと、しばらくしてからシャッターが切れる3秒後レリーズがある。3秒後レリーズを使えば、左の写真のように操作者が写りこんでしまうこともなく被写体の、ありのままの姿だけを記録できるだろう。