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前編:水中生物をアップで観察する

理科好き注目のタフカメラOptio W90を使い倒してみた

2010年04月22日 12時00分更新

文● 池田圭一

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水中マクロで自然界の臨場感をとらえろ!

ロケ地の谷川

ロケ地の谷川。撮影記事は4月の初めで午後4時前後。林間の暗い小川といえば普段でも光量が不足気味で、そのうえ当日はにわか雨が降り、撮影状況としては最悪

 続いて、水中でのデジタル顕微鏡モードを試してみた。なおロケ地は、上の写真のような清浄な湧き水の流れる谷川で、林間のため薄暗い場所である。水中にカメラを完全に沈めて、岩肌におよそ1cmまで近づけ、表面の植物を撮影したのが次の写真だ。撮影時の状況(シャッター速度が遅いため水面が流れている)からもかなり暗いことがわかるが、水の流れに細かく震える植物が鮮明に写されている。

撮影時の様子

撮影時の様子。水中にカメラを沈め、LED照明で写真左下の水草を狙っている

水草を細部までとらえている

岩肌に近づけて勘で撮影した。LED照明で照らされた水草を細部までとらえている

 一方、こちらはさらに暗い場所。Optio W90本体が影を作るため、水面上から見ていると中の様子はほとんどわからないのだが、液晶ファインダーで水面下の様子がよく見え、小さな砂粒まで写っている。被写体から少し離し、斜めにして撮影しても、LED照明の光が奥まで届いていることがわかる。

デジタル顕微鏡モードで水中撮影

デジタル顕微鏡モードで水中撮影。液晶モニターで水面下の様子がよくわかる

LED照明の光は5~6cm先まで届いている

LED照明の光は5~6cm先まで届いている

 次の撮影サンプルは、水中の微細な昆虫(フタバコカゲロウの幼虫らしい)を撮ったものだ。プログラムモード+1cmマクロで、LED照明の有無を調節している。左は、自然光+ストロボ強制発光、右はLED照明の光だけで撮影している。

プログラムモードでのストロボ点灯(左)と、デジタル顕微鏡モード(右)を比較。ストロボでは光がまわらないが、LED照明は被写体を均質に照らしている。こうして正確に記録しておくとあとから調べるときに役立つ

 LED照明消灯時(ストロボ発光)では狙っている被写体が半透明の生き物であり、照度も足りないためにピントが背景の小石にあってしまっているが、LED照明側ではきちんとピントも合い、カゲロウ幼虫を写し出している。立体的に見えるのは前者(左)だが、生物観察写真としては右のLED照明付き選びたいものだ。


自然観察で使いこなしたい
リモコン機能と動画マクロ

 前編の最後では、赤外線リモコンと動画撮影時のマクロについても触れておこう。自然観察のシーンでは、小さな世界をありのままに見たいことがある。肉眼での観察が難しい場合でも、Optio W90を使えば、その姿をとらえることができるのだ。

操作しにくい場所にあるものはリモコン操作で撮る

操作しにくい場所にあるものはリモコン操作で撮る。花モードで撮影中

リモコン待ち受け時はオレンジ色のランプが点灯

リモコン待ち受け時はオレンジ色のランプが点灯。デジタル顕微鏡モードで撮影中

 次なる撮影サンプルは、春先に可憐な姿を見せるカタクリの花。下を向いて咲くために、花の中心部を観察するときは鏡を使って覗き込むことが多い。このようなシチュエーションでは、スリムなOptio W90が活躍する。赤外線リモコンを使って操作すれば、無理な姿勢で構え続けることもない。

 赤外線リモコン撮影時には、リモコン操作と同時にシャッターが切れる即レリーズと、しばらくしてからシャッターが切れる3秒後レリーズがある。3秒後レリーズを使えば、左の写真のように操作者が写りこんでしまうこともなく被写体の、ありのままの姿だけを記録できるだろう。

リモコンでの即レリーズで撮影

リモコンでの即レリーズで撮影。油断したため筆者が写りこんでしまった

デジタル顕微鏡モード&3秒後レリーズで撮影

デジタル顕微鏡モード&3秒後レリーズで撮影。花にやってくる生物は、この方法で観察するといい

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