必要に応じてクアッドコアCPUの
処理能力をふんだんに使える
今回は上位モデルのms6000 Extendedを試用し、使用感と管理性をチェックした。
まずは本体性能をフリーソフトのCrystalMark 2004R3にて計測。結果、総合スコアは「134095」をマーク。CPU性能を表すALU(整数演算速度)は「50079」で、FPU(浮動小数点演算速度)は「45278」となった。
続けて、3つのシンクライアントで同時にCrystalMark 2004R3を実行してみた。結果、そのなかの1台の総合スコアは「46806」。ALUは「17527」でFPUは「15819」と、処理能力が3等分された。他2台も大きな違いはなかった。
各シンクライアントで同時に高負荷をかける作業をする機会は少ないと思われるが、万が一、高負荷の作業を行う場合でも、Core 2 Quad Q9400(2.66GHz)の処理能力を生かせる。
なお、ベンチマークのD2D(DirectDrawを用いた2D描画性能)項目の値が「0」なのは計測中にCrystalMark 2004R3がエラーでダウンしてしまったからだ。ホストPCにとっては内部の各デバイスに直接アクセスし性能を計測するベンチマークソフトの多重起動であり、ソフト自体も想定外の使用方法だったためだろう。
ユーザーが気になるのはシンクライアントゆえの操作感だろう。やはり、リモートデスクトップを利用しているため各操作は一瞬遅れる。しかし、WordやExcelで文字入力やメニュー表示がもたつくことはなく、ウェブサイト閲覧程度なら気にならないレベルだった。
また、Windows 7の機能であるシェイクやスナップなども快適に動作。ストレスを感じることはなかった。
消費電力は51%カット
1台のホストPCを複数ユーザーで使用する本製品では、各々が個別にPCを利用するよりも圧倒的に消費電力は低い。
普及価格帯のデスクトップPC1台の消費電力はおおよそ50W前後。19型ワイド液晶ディスプレーの消費電力は約35W前後だ。仮にPCを40台導入すると計3400W前後の電力を使う計算になる。
一方、本製品ならば40人分の環境を構築するのに必要なのはホストPC4台とシンクライアント40台だ。ms6000 Extendedの消費電力は約45W、シンクライアントの消費電力は約2W。これに19型ワイド液晶ディスプレー40台分の消費電力を加えると計1660W前後で、約51%の省電力化につながる。
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