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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第70回

ブロガーからライターに転身 「面白いサイトを見つけたよ。」

2010年04月19日 12時00分更新

文● 古田雄介

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生活をとるか、興味をとるか

―― それは対応が大変そうですね(笑)。それから約2年後、Markezineのインタビュー連載「スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝」でライターとして商業媒体に執筆されるようになりました。その後も、CAREERzineの「社食探検隊が行く!」、紙媒体のOCEANS「今月の“ネタ帳”ウェブ」と多くの媒体で活躍されていますが、本格的にライターを始めた契機を教えてください。

武田 書籍化のときと同じく、編集部の方からお声をかけていただいたのは始まりですね。その後も自分から営業に行くということはなくて、最初にお話をいただいた編集の方に紹介していただいたり、サイトを読んでいただいてお声をかけてもらったりという感じです。そういう機会に「こういった記事が書けます」と伝えて、それで仕事をいただくという流れですね。

山田井 ですよね。「営業やらなきゃ」という気持ちはあるんですけど、経験がなくて、どうやったらいいか分からないというのもあって。

2007年8月にスタートした「スゴイ才能を発掘したよ。ネット界★スーパークリエイター列伝」。現在までネットで活躍している14人にインタビューしている。最近印象に残ったのは「ココロ社さんの独特のオーラですね」という(※全ページの閲覧には会員登録が必要)

―― 現在ライターが本業になっているのですか? 山田井さんも教えてください。

武田 僕は兼業です。平日は会社で事務職をしていて、土日などを使って記事を書いてます。ただ、かなり悩んだ時期があったんですよ。会社勤めしていると平日に取材するのが難しいので、せっかく編集部からお仕事を振られても断らざるを得ないということがたまにあって。もっと自由に取材したり、記事を書きたいという気持ちがありつつも、ライター一本で食べていけるのかという不安もあって。小心者なんで、その狭間でかなり悩み続けました。

山田井 僕は1年前に兼業状態からライター専業になったんですが、きっかけは勤めていた会社が倒産したことです。それで武田さんと同じように悩んだんですよ。でも、迷ったらポシティブな方向に進もうというのは決めていたので、ライター一本で活動するようになりました。それからは平日に取材する仕事が出来るようになったことで仕事の幅が広がりましたね。収入は前より落ちましたけど。おそらくですけど、前に働いていた会社の倒産がなければ、いまも会社勤めを続けていたと思います。リアルな話、収入の面は無視できませんから。

―― フリーランスの人は収入も生活形態も本当に多種多様だから、誰かが「ライターは食える・食えない」と言っていたところで鵜呑みにできないですし、やっぱり悩みますよね。ただ、武田さんの「社食探検隊が行く!」は、平日の企業に取材していますよね?

武田 そうなんですよ。社食の取材のときだけは、会社に半休をもらって平日に取材しています。編集部の方からとくに期限を決められていないので、会社が休めるときに取材するという感じですね。

 紙媒体の「今月の“ネタ帳”ウェブ」を除いて、厳密な締め切りがないのは本当に助かっていると思います。今のところは睡眠時間を削るということもなく、特別なプレッシャーみたいなものもないので、会社勤めもライターの仕事もやれています。

2008年11月スタートの「社食探検隊が行く!」。ハイクオリティな社食を提供している企業に7回以上潜入している。ライバルを尋ねると「ZDNet Japanで仮面を付けて社食記事を書いているZiddyちゃんですね」と教えてくれた(※全ページの閲覧には会員登録が必要)

―― 社食を取材するというのは編集部からの依頼ですか?

武田 いえ、編集部に紹介してもらったときに「社食をやってみたいんですよ」と言ったらGOサインが出てという感じです。社食って社員の人しか入れない「秘密の花園」的な魅力があるじゃないですか。僕自身、社食のある会社で働いたことがないので、そういうゾーンを覗いてみたいと思っていたんですよ。完全に自分の興味本位。サイトにしろライターの仕事にしろ、いつも基本は自分の興味本位なんです。

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