客観的な視点が苦痛になり、主観で選定する道を選んだ
―― よろしくお願いします。おふたりは以前から面識があるのですか?
武田 いえ、古田さんもそうですけど、山田井さんもお名前は存じていますがという感じで、今日初めてお会いしました。よろしくお願いします。
山田井 ネットで活動していると、結構そういうことってありますよね。なかなか同業の方に会う機会はないので楽しみにしています。
―― では、まずは武田さんからお話を伺っていきたいと思います。武田さんのネットでの活動は「面白いサイトを見つけたよ。」からスタートしたと思うのですが、そのきっかけを教えてください。
武田 世間でブログがグイグイ来てる時期だったので、ちょっとやってみようと思ったんですよ。当時はバイト生活を送っていたんですが、特にIT業界に深くつながっていたわけではなく、趣味でインターネットを見ているという感じでした。
ただ「面白いサイトを探す」ということにちょっとした自信があったので、あまり知られていない魅力的なサイトを紹介するというコンセプトならブログを続けられるかなと考えていました。
けっこう軽い気持ちで始めたので特に目標も決めていませんでしたが、思い返せば人気ブログになりたいという思いは最初からありましたね。
―― 探し方に自信があるということは、ストック勝負ではなく、情報収集力で差別化するという感じですね。
武田 はい。ただ、ストック自体はかなりため込んでいたので、最初の頃は紹介してもいくらでも残りがあるという感じではありました。ブログのコンセプト上あまりに有名なサイトは省いていましたが、それでもけっこうありましたね。
情報収集も特別な裏技があるわけではないんです。はてなアンテナなどに、古田さんみたいな記事を書いている人をたくさん登録していて、そこをチェックするという基本的なことを続けているだけですし。
あえていえば、テレビや雑誌で紹介されているサイトをチェックする方法を併行していたのはあります。雑誌にしてもIT系ではなく、モノ雑誌のブログ紹介コーナーをチェックするとか。そうすることで他のサイトと極力ネタ被りしないように意識していました。
―― その中から、どんな基準で紹介するサイトやブログを選んでいるのでしょう。
武田 今は基本的に自分のアンテナにひっかかるか否かで決めています。そのうえで、有名すぎるサイトは除外させていただくという感じで。
サイトを始めた当初は「女性の読者に受けるだろうな」と考えて、占い系サイトをピックアップしたりもしていたんですが、他者を意識するといいますか、客観的な視点でサイト選びを続けるのが段々苦痛になってきまして。そうやって選んだサイトも別につまらないと感じるほどの落差はなかったんですけど、やっぱり選定の基準が複雑になって感性から離れていくに従ってストレスになるんです。
そういう経験があったので、続けていくうちに自然と主観的なアンテナ1本を主軸にするようになりました。それに伴って更新頻度も下がってしまったんですが(笑)。
この連載の記事
-
最終回
トピックス
アンサイクロペディア“中の人”が語る、ユーモアの難しさ -
第99回
トピックス
マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」 -
第98回
トピックス
「もし森ガールが森へ入ったら」アサイさんの超地道な努力 -
第97回
トピックス
死刑は必要? 冷静に考えるためのWeb資料室「刑部」 -
第96回
トピックス
NTT研究者が“錯覚”サイトにかける純粋な感情 -
第95回
トピックス
ネットの「熱さ」、現代アートに――藤城嘘とカオス*ラウンジ -
第94回
トピックス
諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ! -
第93回
トピックス
探検コムの「広く浅く」が深すぎる! -
第92回
トピックス
金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い! -
第91回
トピックス
「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る -
第90回
トピックス
電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道 - この連載の一覧へ