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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第113回

iPadで始まる「モバイル・クラウド」の世界

2010年04月14日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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iPadは「キーボードのないネットブック」

 話題のiPadがオフィスにやってきた。といってもアメリカ版を買った同僚のものだが、これを見るとITの世界が大きく変わる予感がする。ハードウェアはそれほど変わったものではなく、iPhoneをそのまま4倍に拡大したような感じだが受ける印象はかなり違う。iPhoneは基本的に電話だが、iPadは「キーボードのないPC」だ。特にYouTubeやゲームなどの動画はHDTV(高精細度)の映像が増えたので、iPhoneとは迫力が違う。

 置き方を変えれば縦横どちら向きにもなるので、文書作成や読書には縦置きが向いているが、iPadを見て読書をしようと思う人は少ないだろう。読書専用端末としては、明らかにアマゾンのKindleのほうが読みやすい。紙と同じ反射型の「E-Ink」という画面を使っているからだ。普通のPCでもざっと読むにはモニターでいいが長い文書はプリントアウトするように、バックライト液晶で数百ページの本を読むのはつらい。

 ただ、これは慣れの問題かもしれない。私は毎日4時間以上は液晶モニターを見ているが、「これ以上は読めない」と感じたことはない。60歳以上になると辛いらしいが、逆に若者にとっては、これから文章は液晶で読むのが当たり前になるので、大した問題ではないかもしれない。iPadは今月出たばかりだから、これで本を読む人がどれだけいるかは注目すべき「社会実験」である。

 スティーブ・ジョブズもプレゼンテーションで読書という用途を強調せず、iPhoneと普通のPCの中間で、ネットブックより使いやすい端末という位置づけをしていた。屋外でPCを使うとき、複雑なキーボード操作はあまりしないし、iPadのインターフェイスは、ほとんどの操作がタッチパネルでできるので、ネットブックより使いやすい。もちろんキーボードがないぶん小さく軽いので、バッテリーももつ。要するにKindleと競合するような読書端末ではなく、キーボードのないネットブックという感じだ。

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