書けまっせ!!PDFという選択
おそらく、多くの企業がPDFに対して同じような悩みを抱えているのではないだろうか？
様々なところから届くメールの添付ファイルや、役所や社内で利用する申請書にPDFが使われている。ところが、デジタル上での書き込みができず、印刷して手書きで入力することになる。書類をデジタル化しているのに、思うようなコストや手間の削減ができない。そんな悩みを抱えている企業は多いはずである。
そんな時に、「書けまっせ!!PDF」を紹介された。
書けまっせ!!PDFであれば、PDF文書に図形やテキストを簡単に追加できる
日本のソフトメーカーであるアンテナハウスが開発したこの製品は、数少ない独自開発のPDF表示エンジンを搭載し、PDF文書を読み込み、その上にテキストや図形画像などを配置する機能を持っている。
PDFだけでなく、編集情報を残した専用形式でも保存可能なので、請求書や見積書のように、前回提出した書類を一部分だけ書き直して利用する場合にも便利だ。
請求書や見積書の作成には表計算ソフトを利用することも多いが、「書けまっせ!!PDF」は文字や数字を入力するテキスト枠の中に、関数や別のテキストの値を呼び出す機能を持っているので、Excelのような自動計算機能を利用しながら、提出の際はPDFを利用するといった使い方も可能となる。
もちろん作成したファイルは再度PDF化できる。画質の劣化も最小限で済むので、経費精算や、各種提出書類など月に何度も書くような書類で利用するのに適している。
製品は3種類、最上位はタブレット編集に対応
最新製品である「書けまっせ!!PDF4」には、スタンダード、プロフェッショナル、プロフェッショナルPlusの3種類がある。今回、最上位の「プロフェッショナルPlus」をお借りすることができた。これまで閲覧にとどまっていたPDF利用がどう変化するのか……。
| 表 書けまっせ!!PDF4の機能面での違い | |||
|---|---|---|---|
| 機能名 | スタンダード | プロフェッショナル | プロフェッショナルPlus |
| 画像ファイルを PDFに変換 |
── | ○ | |
| スキャナーからの 取り込み |
── | ○ | |
| PDFを画像として 貼り付け |
── | ○ | |
| タブレット 対応 |
── | ── | ○ |
| Excel計算式の 設定 |
── | ○ | |
| 差しこみ 印刷 |
── | ○ | |
| コマンドライン 操作 |
── | ○ | |
| 価格（パッケージ版） | 7980円 | 13440円 | 2万3940円 |
| 価格（ダウンロード版） | 5250円 | 9980円 | 20580円 |
| 対応OS | Windows 7／Vista／XP／2000 | ||
「プロフェッショナルPlus」の特徴は、ペンタブレットとの連携機能を持っている点だ。タブレット機能は、Windows 7で標準搭載されたほか、iPadの登場などでも注目が高まっている。新たにタブレットPCを発売するメーカーも増えている。
ワコムのペンタブレット
今回はワコムのBambooシリーズと組み合わせて試用した。ペンタブレットで描けば、高解像度で滑らかな表現が可能になる。また、筆圧に応じて線の太さも変えられるため、マウスやタッチパネルタイプのタブレットPCなどよりも実用性が優れている。細かな文字を書いたり、フリーハンドの図形を描く際にも威力を発揮するはず。筆者のようにライターとして仕事をしている人間にとってはありがたい。
実はここ数年、校正のために送られてくる書面も、かつてのファクスからPDFファイルに置き換えられている。外出先で校正用ファクスを受け取った際、返信までに時間的余裕がある場合はよいのだが、「すぐに返信してください！」という場合、とっても困っていた。
せっかくパソコンを持ち歩き、校正用原稿を目にしているにも関わらず、校正して送り返すことができないからだ。相手に外出先であることをお詫びして、できるだけ早くオフィスに戻り、校正用PDFをプリントアウトして手書きで送り返す……。時間も、労力も無駄な気がしてならなかった。
