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SUPER GTに痛車が参戦! 初音ミク×GSRポルシェ密着レポート 第13回

怒濤の追い上げでミクポルシェ、10位でフィニッシュ!

2010年04月06日 23時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 写真●加藤智充、鉄谷康博、編集部

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300kmのレースがスタート!

 いよいよ決勝戦。ミクポルシェのグリッドは17番から。かなり後ろのほうではあるが、レース開始直後は混乱するため、その隙を突ければすぐに順位を上げることができるだろう。ローリングラップが始まり、GT500がスタート。その後、GT300が続くのだが、なぜかミクポルシェから後ろが遅れている。この理由は番場選手のインタビューを読んでもらうとして、ついに決勝レースがスタートした。

 前回、クラッシュに巻き込まれたことを教訓に慎重にドライブする番場選手。今回は何もなさそう……と思ったときに、突如#5 マッハ号がスピン! マッハ号を避けるべくスローダウンするライバルたち。その隙を狙って一気に3台ほど抜いていくミクポルシェ。このとき、気温17度、路面温度28度だったが、ウォーミングラップでタイヤは暖まっていたのか、ここから12位まで浮上する。前を走るマシンとタイム的には大差はなかったので、このまま順位を上げられるかと思いきや、すぐ後ろにベテランかつテクニシャンの田中哲也選手の駆る#11 ジムゲイナーフェラーリF430が迫ってきた。

 この痛車VSイタ車対決は、後者に軍配が上がった。数LAPは逃げ切っていたのだが、チーム・ジムゲイナーのエース、田中選手はミクポルシェをオーバーテイクし、その後、差を広げられてしまった。だが、逆に闘志に火がつく番場選手。SBT(スーパー番場タイム)を発動したのか、キレた走りで前を走るタイサンポルシェに追いつき、オーバーテイクを仕掛ける。だが、タイサンポルシェをドライブするイゴール選手もタダで抜かせてくれるワケがない。数周に渡るバトルを繰り返し、ついにオーバーテイクに成功するも、接触してしまったのだ。この接触は運営側に審議されるも、レーシングアクシデントと判断され、とくにペナルティなどはなかった。

 そのまま12位を走り続け、前のクルマとの差を徐々に詰めていく。すると、織戸選手が駆る#19 ウェッズスポーツIS350がコースアウトし復帰に手間取り、トップを走っていた#7 M7雨宮RX-7にステアリングトラブルが発生し、コーナーで曲がりきれずクラッシュして戦線離脱と、上位陣のトラブルにより一気に10位にアップ。他チームのピットインが相次いだため、最高6位にまで順位を上げるが、40LAP目に佐々木選手に交代してピットアウトした頃には12位にまで落ちていた。

 順位を維持しつつ走る佐々木選手だが、途中で#27NAC LMP フェラーリF430をパスするという活躍を見せる。そこからラストまで#74 aprカローラアクシオとのバトルが始まった。aprカローラがまさかのドライブスルーペナルティーを取られた隙にミクポルシェは抜き去り、なんと9位にまで浮上した。だが、そこはトヨタの次世代を担うコンビが操るaprカローラ。佐々木選手もかなり逃げたのだが、最終ラップ直前で逆転を許してしまい、ミクポルシェは10位でチェッカーを受けた。

 チームが目標としていた、シングル順位でのフィニッシュは叶わなかったが、2戦目にして初ポイントをゲットできたのは上出来と言えるだろう。レースは最後まで何が起きるかわからない。だからこそ、完走することが重要なのだ。そして完走することの難しさは、去年、一昨年からミクGTの記事を読んでいる読者にはわかるだろう。チームもスタッフもドライバーもマシンも一部を除いて、すべて急遽再構築した今シーズン。その慌ただしさを考えると、開幕戦に間に合い、古い型のポルシェを駆って2戦目でポイントを取れたのはチームスタッフの尽力に寄るところが大きいが、その後押しをしたのは間違いなく個人スポンサーやファンの声援である。それくらい、ファンからの声援というのは支えになるのだ。

 さて、次戦の富士をもって、現在の996 GT3 RSRは引退となる。新しいGT3Rではカラーリングも変更される予定なので、このパッケージングのミクポルシェを見られるのは最後になるだろう。1.5kmの直線はポルシェにとって圧倒的に有利。今回は応援シートは用意できなかったが、次戦の富士スピードウェイではババーンと用意しちゃうのでお楽しみに。ぜひ応援シートから996 GT3 RSRに「お疲れ様」と伝えてほしい。詳細は今週中に発表するぞ。

(次ページへ続く)

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