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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第9回

6画面マルチディスプレーの巨大デスクトップを構築する技

2010年04月06日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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6画面を使ったグーグルマップは大迫力

6画面を使ったグーグルマップは大迫力。これだけでもしばらく遊べる

 筆者は基本的に、ディスプレーをまたいでウインドウを表示させる使い方はしない。ディスプレーの解像度が揃っていないうえに、ベゼルをくっつけて配置しているわけではないからだ。1000万画素のデジカメ写真を縮小せずに表示すると迫力はあるが、ベゼルが邪魔で鑑賞するには向いていない。グーグルアースなど衛星写真を表示して楽しむなら、迫力があっていい。

 ただ、3Dゲームやシアター代わりに使うには、筆者の環境では大幅に性能が足りない。無理に表示してもコマ落ちがひどくて利用できない。3Dゲームや6画面をまたいだ全画面表示をするなら、USBディスプレーアダプターを使わず、PCI Express x16スロットを複数備えているマザーボードとx16のグラフィックスカード複数枚を利用する必要がある。さもなくば、冒頭で触れた6画面表示対応のRadeon HD 5870 Eyefinity 6 Editionを使うかだ。


画面端の操作性が低下するので対策が必要

 マルチディスプレーではウインドウの端をドラッグしたり、最小化・最大化・「閉じる」ボタンを操作する際など、画面端でのマウス操作が面倒だ。ぎりぎりの所をクリックしようとしても、隣の画面にマウスポインターが移動してしまうのである。特に上下のマルチディスプレーでは、マウスポインターを見失いがち。一般的には、大きく派手なマウスポインターにすれば見やすさは解決するのだが、筆者は掲載用の画面キャプチャーを撮るので、デフォルトの設定を変更できない。

 そこで、画面のプロパティでディスプレーの位置をわざとずらしている。上下のディスプレーをきっちり並べるのではなく、隙間を作るのだ。すると画面の端にポインターを動かしても、ゆっくりとマウスを動かしている限りは上の画面に移動しない。勢いよくマウスを動かすと、ポインターが移動する。

上下のディスプレーの間に隙間を作る

Windowsの設定で、上下のディスプレーの間に隙間を作る

 しかしこの場合、上下につなげてウェブページや画像を表示すると、隙間の分だけ表示されないことになる。とはいえ、もとよりディスプレーをまたいだ表示をしないので問題はない。もしディスプレーをまたいで表示するなら、「Dual Display Mouse Manager」を利用しよう。マルチモニターの端でマウスポインターの動きを一時的に止めてくれるソフトだ。3画面までしか設定できないが、メインの作業ディスプレーを中心に有効にすれば十分役立つ。

 ちなみに、画面端にウィンドウを動かして最大化やリサイズするWindows 7の「Aeroスナップ」は、マルチディスプレーの境界では動作しない。Windowsキー+左右矢印キーのショートカットを活用しよう(関連記事)。

 筆者は上下のディスプレー間に隙間を作っているので、境界をまたいでウインドウを動かすには、勢いをつける必要がある。勢いが足りなければもう一度動かすことになるが、この動作がAeroシェイクを作動させて、アクティブウインドウ以外をすべて最小化してしまうことがある。Aeroシェイクが邪魔なら無効にしてしまおう。

 Aeroシェイクは無効にしたいが、Aeroスナップは利用するという場合は、以下のレジストリをレジストリエディターで修正する。キーや値がない場合は、自分で作成する。

  • HKEY_CURRENT_USER¥Software¥Policies¥Microsoft¥Windows¥Explorer を開く
  • DWORD値「NoWindowMinimizingShortcutsNoWindowMinimizingShortcuts」を「1」にする

 Aeroスナップも不要なら、コントロールパネルの「コンピューターの簡単操作」から「マウスの動作の変更」を選び(カテゴリ表示の場合)、「ウィンドウの管理を簡単にします」欄にある「ウィンドウが画面の端に移動されたとき自動的に整列されないようにします」のチェックを入れる。


2画面よりは3画面のほうが絶対便利
それ以上はニーズによる

 マルチディスプレーは一度手を出してしまうと戻れない蜜の味だ。筆者は海外旅行でさえ、大画面ノートを2台持って行く。機内持ち込みのバッグが大きく重くなるが、宿泊先での作業効率が大きく異なるからだ。普段なら最低でも、フルHDサイズの画面が3~4枚は欲しい。

 一般的な使い方でもデュアルディスプレーはおすすめ。ウェブブラウザー以外に、メールやOutlook、Twitterクライアント、チャットソフトなど、常に表示しておきたいソフトも開いておける。画像編集なら、レタッチソフトのパレットを隣の画面にまとめて展開してもいい。素材ファイルを保存してあるフォルダーを開きながら作業するのもいい。

 調べ物なら、筆者のようにウェブブラウザーを複数開くのもおすすめだ。2ちゃんブラウザーや「Craving Explorer」のような動画投稿サイト用ブラウザーを表示しておく手もある。3画面なら、グラフィックスカードとUSBアダプターひとつで構築できるので手軽なのでチャレンジしてみてはいかがだろう。

 一方、4画面以上はモニタアームを使うか設置に工夫をする必要があるなど、コストもかかる。しかしパソコンで仕事をしている人なら、効率アップの効果でコストを取り返せるかもしれない。常に10個以上のウィンドウを開く必要があるなら、4画面以上のマルチディスプレーを検討してみよう。


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筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。


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