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フルカスタマイズのDell DCSから生まれた

これぞクラウド志向!デル「PowerEdge Cシリーズ」誕生

2010年04月05日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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デルがクラウドプロバイダ向けとして展開する新しいサーバーが「PowerEdge Cシリーズ」だ。このCシリーズの生まれた背景を、デルでエンタープライズ マーケティングを手がける布谷 恒和氏に聞いてみた。

クラウド事業者のニーズを吸収して生まれたDell DCS

ラージエンタープライズ マーケティング ジャパン・マーケティング サーバ ブランド マネージャー 布谷恒和氏

 先週はインテルから8コアのXeon 7500番台の発表があり、各社から搭載サーバーの発表が相次いだ。IAサーバーの旗手であるデルもラックマウント型サーバー、ブレードサーバーなど数多くの製品を投入した。こうした新製品のうちで、なにより注目したいのが、超大規模環境向けの「PowerEdge Cシリーズ」である。

 発表会の記事のとおり、PowerEdge Cシリーズはもともと「Dell DCS」というフルカスタマイズ生産のデータセンター向けサーバーをベースにしている。汎用性の高い企業向けのサーバーと異なり、Dell DCSで作られるサーバーは数多くのサーバーに並列処理をさせるという用途に特化しており、しかも展開規模は数千~数万台というきわめて大きいのが特徴。

 こうした用途のため、「ネットワークポートやPCIスロットは何個もいらないから、メモリをとにかくいっぱい載せてほしい。並列処理のサーバーは壊れるのが前提だから、冗長電源は不要。あるいはOSの認定もいらないとか、とにかくリクエストが偏っているんです」(布谷氏)とのこと。その他、仮想化の進展とともにネットワーク化されつつあるストレージに関しても、クラウド事業者は外部ストレージを使わないため、必ずHDD等を内蔵する必要があった。また保守についても、クラウド事業者が自前でやってしまうことも多いため、必要な部品をまとめて送ってもらう体制あればよいという。

 とにかく、通常の企業向けのサーバーと大きく異なるニーズがあり、この"わがまま"に答えて開発されるのが、Dell DCSのソリューションというわけだ。

 2007年にスタートしたこのDell DCSの取り組みは、大きな成功を収めた。「米国からスタートし、次に成長著しい中国の事業者が導入するようになりました」(布谷氏)とのことで、米国の検索エンジンはトップ5のうち3社、百度をはじめとする中国のポータルサイトがDell DCSのサーバーを採用しているという。そして、こうしたフルカスタマイズ生産のサーバーのうち、導入台数が多かった構成のサーバーを製品化したのが、PowerEdge Cシリーズというわけだ。

Dell DCSはクラウド分野で多くの採用があるCシリーズのポジショニング

 布谷氏は「グーグルやフェースブックほど大きくはないけど、ポータルやSNSをやっていたらビジネスが急拡大して、サーバーが必要なんだけど、フルカスタマイズまではロット数や価格の面でできないという事業者さんが多くなっている。そこで、Dell DCSで一番売れている構成を製品化した」と、Cシリーズ登場の背景をこう語る。PowerEdge Cシリーズとしてきちんと商品化すれば、フルカスタマイズに比べて敷居は低く、しかも他のPowerEdgeと同じように全国各地で同じように保守できる。さらにDell DCSの生産は米国だが、PowerEdge Cシリーズでは他と同様アモイで生産できるというメリットがあるという。

2Uのシャーシに4台のサーバー

 さて、今回は1Uの「PowerEdge C1100」、2Uの「PowerEdge C2100」、「PowerEdge C6100」の3機種が発表されたが、注目はなんといっても超高密度なPowerEdge C6100だ。

4台のサーバーを収納するPowerEdge C6100

 PowerEdge C6100は前面に24本のHDD、背面に4台の物理サーバーノードを搭載できるという非常にエッジの立った製品だ。ノードあたり12のDIMMスロット、6台のHDDを利用でき、ホットプラグやホットスワップでの交換にも対応する。C6100では1ラックに独立したサーバーノードがなんと84台入ることになり、重量や電源ケーブルも削減される。多くのデータセンター事業者で抱えている電源や集積機密度の問題も、今度はクリアされそうだ。

 確かに、こうしたサーバーを自前で調達するデータセンターやホスティング事業者は存在しているが、最大手のメーカーからこうした商品が登場というのはとてもインパクトがある。「以前、『はてな』さんの講演を聞いたら、あそこも仕様にあうサーバーがないので、一部で自作を使っていたらしいです。しかし、本当はメーカーさんが作ってくれたほうが安心だし、コスト面ではうれしいとお話ししていました」(布谷氏)。ホワイトボックスのサーバーを並べているデータセンターも、この集積密度とデルのサポートがあれば、入れ替えを検討するかもしれない。

 現在、各社からクラウド向けを謳う並列処理前提のサーバーが次々登場しているが、PowerEdge Cシリーズは3年前から展開してきた実績が大きな武器だ。「ラックも標準仕様のものが利用できますし、前面吸気・背面排気するというオーソドックスな仕様なので、運用を変える必要がないです」(布谷氏)と語っている。

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