このページの本文へ

ENERMAX「PRO87+」シリーズ

ランドセル型ATXパワーユニット! 百式かっ!? 百式なのか!?

2010年04月10日 18時00分更新

文● 藤山 哲人

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

700W超の電源!?――あんなの飾りです
えらい人にはそれがわからんのです!

 CPUやマザーボードの消費電力をいちいち計算して電源を買う人はまずないだろう。しかしビデオカードを2枚挿しにしたり、HDDを数台実装していると、なんとなく電源を食いそうだ。そこでパソコンに詳しい友人や同僚に「今だとどのぐらいの電源を買えばいいのかな?」と相談すると、申し合わせたように返ってくる答えがコレだ。

 「ん~。700Wぐらいかな?」

 これを鵜呑みにしてはいけない! 最近のCPUは低消費電力化が進みWindows XP時代に買ったパソコンとは比べ物にならないぐらい電気を食わない。確かに700W、いやそれ以上の電源を必要とするマシンもあるが、そりゃぁ

 PC本体より高額なビデオカードを2枚差ししているマニア限定!

 現在PCパーツの中で最も電気を食うのはビデオカードだが、数千円~1万円程度のビデオカードを2枚差ししている程度なら、おおよそ200Wも見ておけば十分だ。その次に電気を食うのはCPUだが、Core2以降のCPUはマザーボードの消費電力も合わせて100Wも見ておけばいい。ただしこれらのW数は、3Dゲームなどをバリバリプレイしたり、ベンチマークを実行してPCに高負荷をかけたピーク時の消費電力だ。

本体より高価なグラボを複数枚差しているような場合は、確かに700W以上の電源も必要になるが、そりゃマニアのパソコンの話

 一方HDDの消費電力は、ピークで1台あたり30Wを見ておけばいいだろう。とはいえHDDのピークも、2台が同時にピークになるシーンはごく稀。デフラグやチェックディスク、ベンチマークを実行しても、どれか1台が頻繁に読み書きされるだけなのだ。通常の利用では、システムドライブがそこそこ読み書きする程度で、データ専用のドライブはアイドルしているか、スリープしちゃってるハズだ。
 まったりWebを見て回ったり、仕事を自宅に持ち帰ってExcelにデータを打ち込んだり、動画を見ているぐらいなら、消費電力は半分ぐらいと考えてもいいだろう。つまりビデオカード2枚とCPU、そしてマザーボードとHDD2台をあわせてもピークで360W程度、通常は180W程度見ておけばいいのだ。
 それ以外にもLANカードやサウンドカードの類も入っていると思うが、ほぼ誤差として考えてもOK。1枚10W程度で計算しておけばよし。
 これらを踏まえると、普通にパソコンを使う限りでは500Wの電源もあれば十分ということになる。また先に紹介した80PLUSの負荷によるエネルギー変換効率を見れば分かるとおり、最も効率のいいのは負荷が50%程度のとき。LANやサウンドカードも実装した状態の消費電力は、およそ200W程度なので500Wクラスの電源が最もエネルギー効率がいいという計算になるのだ。

負荷が50%程度のときエネルギー変換効率が一番いい。グラフは「ENERMAX PRO87+」のもの(※:グラフはENERMAX公式サイトより抜粋)

 500Wじゃ心もとないので、ちょっと余裕を見てマニアのアドバイスの通り700Wの電源にしておこう!なんて、オーバースペックのものを実装してしまうと、エネルギー効率がかえって悪くなる。
700W超の電源!?――あんなの飾りです。えらい人にはそれがわからんのですよ!
 という言葉通りになるのだ。
 もう少し詳しく消費電力を計算したいという場合は、「電源容量 ☆ 皮算用 ☆ 計算機。」を使ってみるといい。とりあえずCPUと実装しているビデオカードの型番を選んでやれば、ピーク時~アイドル時までの消費電力の概算を把握できる。

見せてもらおうか!ENERMAX PRO87+の性能とやらを……。

 1月から発売された「ENERMAX PRO87+」(関連記事)だが、アキバ界隈っつーか日本全国で飛ぶように売れたため、3月までは品切れ状態が続いていた。4月に入りようやく安定供給ができるようになったというこの電源、ナニがそんなに凄いのかちょっと気になったので色々調べてみると、技術的に面白いトピックがテンコ盛り。こりゃASCII.jp読者も含めてみんな喜ぶわという逸品だった。

EPG600AWT

実売価格:1万7980円前後

80PLUS GOLD認証を取得したENERMAX製の600W電源「EPG600AWT」。500Wモデルもラインナップしている

(次ページへ続く)

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中