日本AMDは29日、最大12個のCPUコアを内蔵するサーバー向けCPU「Opteron 6100」シリーズを発表した。CPUコア数は、12コア版と8コア版の2バリエーションが用意される。
Opteron 6100シリーズは、4~6コアのCPUをパッケージ内で2個連結した、MCMタイプのマルチコアCPUである。対応チップセット(AMD SR5600シリーズ)と組み合わせて、「Opteron 6000シリーズプラットフォーム」を構成する。ダイサイズは約346mm2で、トランジスター数は約18億800万個。CPUソケットは新しいG34ソケット(1944ピン)となる。
Opteron 6100シリーズで加えられた新しい主な特徴は以下のとおり。
- 12または8コアのCPUコアを内蔵
- 4チャンネルのDDR3-1333メモリーに対応。各チャンネルは最大3DIMM
- Direct Connect Architecture 2.0により、CPU間接続が33%高速化
- 同じCPUを2プロセッサー/4プロセッサーのシステムで使用可能
- 電力管理機能の強化
最大コア数の増加に合わせて、メモリーコントローラーの強化やCPU間接続の高速化など、ハイエンドサーバーに必要とされる強化が施されている。また、2プロセッサー(2P)と4プロセッサー(4P)向けシステムで同じCPUを利用でき、価格差をつけていない点は、x86サーバー向けCPUでは新しい試みといえる。
同社の従来製品や競合他社が、2プロセッサーシステム向けと4プロセッサー以上のシステム向けのCPUで価格に差を付けていたのに対して、Opteron 6100シリーズでは性能や消費電力だけの価格差となっている。同日に開かれた記者説明会で、AMDサーバー・ワークステーション部門マーケティングディレクターのジョン・フリー(John Fruehe)氏は、従来の4P向けCPUについていたプレミアム価格を「4P Tax」と称し、これを取り払うことで、業界内で縮小の続いていた4Pシステムを、一層普及させることが可能になるとしている。
主な仕様は以下のとおり。HEは低消費電力のモデルで、SEは高性能/高消費電力のモデル。価格は1000個受注時の1個あたりの価格である。
CPU名 | 6176 SE | 6174 | 6172 | 6168 | 6164 HE | 6136 | 6134 | 6128 | 6128 HE | 6124 HE |
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開発コード | Magny-Cours | |||||||||
プロセスルール | 45nm | |||||||||
物理コア数 | 12 | 8 | ||||||||
CPUクロック | 2.3GHz | 2.2GHz | 2.1GHz | 1.9GHz | 1.7GHz | 2.4GHz | 2.3GHz | 2.0GHz | 2.0GHz | 1.8GHz |
3次キャッシュ | 12MB | |||||||||
メモリー | DDR3-1333 | |||||||||
ACP | 105W | 80W | 65W | 80W | 65W | |||||
価格 | 1386ドル | 1165ドル | 989ドル | 744ドル | 744ドル | 744ドル | 523ドル | 266ドル | 523ドル | 455ドル |