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AMD、最大12コアのCPU Opteron 6100シリーズを発表

2010年03月29日 14時30分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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Opteron 6100シリーズ

Opteron 6100シリーズ

Opteron 6100シリーズのダイ写真

Opteron 6100シリーズのダイ写真

 日本AMDは29日、最大12個のCPUコアを内蔵するサーバー向けCPU「Opteron 6100」シリーズを発表した。CPUコア数は、12コア版と8コア版の2バリエーションが用意される。

 Opteron 6100シリーズは、4~6コアのCPUをパッケージ内で2個連結した、MCMタイプのマルチコアCPUである。対応チップセット(AMD SR5600シリーズ)と組み合わせて、「Opteron 6000シリーズプラットフォーム」を構成する。ダイサイズは約346mm2で、トランジスター数は約18億800万個。CPUソケットは新しいG34ソケット(1944ピン)となる。

AMDのサーバーCPU・プラットフォームロードマップ

AMDのサーバーCPU・プラットフォームロードマップ。Opteron 6100シリーズは「Magny-Cours」、プラットフォームとしてのOpteron 6000シリーズには、「Maranello」のコード名を持つ

 Opteron 6100シリーズで加えられた新しい主な特徴は以下のとおり。

  • 12または8コアのCPUコアを内蔵
  • 4チャンネルのDDR3-1333メモリーに対応。各チャンネルは最大3DIMM
  • Direct Connect Architecture 2.0により、CPU間接続が33%高速化
  • 同じCPUを2プロセッサー/4プロセッサーのシステムで使用可能
  • 電力管理機能の強化

従来の4P Opteron(左)とOpteron 6100の構成の違い。4チャンネルメモリーとCPU間接続の違いがわかる

CPUごとのメモリーチャンネルが倍増の4チャンネルに

CPUごとのメモリーチャンネルが倍増の4チャンネルになったことで、1CPUあたり12DIMMの装着が可能になった。大量のメモリーを必要とするHPC用途には大きな利点となる

 最大コア数の増加に合わせて、メモリーコントローラーの強化やCPU間接続の高速化など、ハイエンドサーバーに必要とされる強化が施されている。また、2プロセッサー(2P)と4プロセッサー(4P)向けシステムで同じCPUを利用でき、価格差をつけていない点は、x86サーバー向けCPUでは新しい試みといえる。

ジョン・フリー氏

Opteron 6100を掲げるジョン・フリー氏

 同社の従来製品や競合他社が、2プロセッサーシステム向けと4プロセッサー以上のシステム向けのCPUで価格に差を付けていたのに対して、Opteron 6100シリーズでは性能や消費電力だけの価格差となっている。同日に開かれた記者説明会で、AMDサーバー・ワークステーション部門マーケティングディレクターのジョン・フリー(John Fruehe)氏は、従来の4P向けCPUについていたプレミアム価格を「4P Tax」と称し、これを取り払うことで、業界内で縮小の続いていた4Pシステムを、一層普及させることが可能になるとしている。

2Pシステムでの、従来型Opteronとの性能比較

2Pシステムでの、従来型Opteronとの性能比較。6コアOpteronと比べて最大2倍の性能向上を示す

4Pシステムの価格は大幅に下がる

「4P Tax」を取り去ったことで、4Pシステムの価格は対Xeon比で大幅に下がるとしている

 主な仕様は以下のとおり。HEは低消費電力のモデルで、SEは高性能/高消費電力のモデル。価格は1000個受注時の1個あたりの価格である。

CPU名 6176 SE 6174 6172 6168 6164 HE 6136 6134 6128 6128 HE 6124 HE
開発コード Magny-Cours
プロセスルール 45nm
物理コア数 12 8
CPUクロック 2.3GHz 2.2GHz 2.1GHz 1.9GHz 1.7GHz 2.4GHz 2.3GHz 2.0GHz 2.0GHz 1.8GHz
3次キャッシュ 12MB
メモリー DDR3-1333
ACP 105W 80W 65W 80W 65W
価格 1386ドル 1165ドル 989ドル 744ドル 744ドル 744ドル 523ドル 266ドル 523ドル 455ドル

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