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ランブックオートメーションで属人化した運用管理に終止符を

管理者に眠れる夜を!Senju Familyのここがスゴイ

2010年03月26日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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野村総合研究所(NRI)の「Senju Family」は「現場ニーズ反映型」を謳う純国産のシステム管理ツール。多くの実績を持つSenju Familyの開発コンセプトやメリットを、NRI システムマネジメント事業本部 副主任コンサルタント 應和周一氏に聞いた。

運用管理を500人が助けてくれる

NRI システムマネジメント事業本部 副主任コンサルタント 應和周一氏

 Senju Familyの誕生は、システムのダウンサイジングが盛んだった1994年にさかのぼる。金融機関などのシステムの運用管理を行なう同社がオープンシステム系のサーバー管理を実現するために作ったのが、現在のSenju Familyの元祖だ。「当時はサーバーのお守りに適切なツールがなかったんです。だったら作ってしまえ、ということでできたのがSenju Family」と應和氏がその起源について話す。ちなみに「Senju」というと千手観音のイメージがあるが、実際は500人分の働きをする(つまり、千本の手)というのが、由来だとか。

 サーバールームで生まれた出自からしてわかるとおり、Senjuは現場のニーズを水と栄養にし、成長を続けている。海外製品のようにコンセプトや派手な機能ありきの製品とは明らかに異なり、かゆいところに手の届く製品を目指しているという。「β版、次版くらいを社内で使って、フィードバックをし、外販に必要な機能を選定します。3版目くらいで製品に近いモノが出てくるのですが、その頃までには本当に叩かれまくってますね」(應和氏)とのことで、開発部が作ったモノを運用側が徹底的にレビュー。ガイドラインを満たさないと、受け取ってすらもらえないこともあるとか。

 こうしたある意味スパルタ的な開発体制により、「神は細部に宿るといいますが、細かいところで差が出ていると思います」(應和氏)という高い完成度が実現されているという。ユーザーインターフェイスに関しても、よくいえば質実剛健、悪くいうとOS/2やWindows NTのような古くさいイメージだ。しかし、すでに大手のユーザーが使っているツールだけに、コロコロと画面は変えられない。美麗なグラフィックより、長年使ってもらえる道具としての使い勝手を優先させているのだ。

質実剛健なSenju Operation ConductorのGUI

 かゆいところに手が届く機能としては、たとえば「メールテンプレート」が挙げられる。これはトラブルの報告や関係者への周知などのメール入力を支援するもの。一見、サーバー管理には縁遠い気がするが、「実は管理者はこうした障害通知や対応のメールを書くのに多くの時間をとられている。テンプレートを使えば、10%は減らすことができるし、ミスも少なくなる」(應和氏)というわけだ。

必要な項目のみ抽出してメールの作成を自動化するSenju Service Managerのメールテンプレート

Childrenでも使える
ランブックオートメーション

 現在のSenju Familyはすでにバージョン10に至っており、前述した国産ならではの使い勝手や信頼性、エージェントレスという手軽さ、そしてITILや仮想化など最新テクノロジーへのいち早い対応といった特徴から多くのユーザーを獲得している。製品も、運用管理ツールの「Senju Operation Conductor」、管理ツールを束ねた統合監視・自動化を行なう「Senju Enterprise Navigator」、サービスデスク製品「Senju Service Manager」、IT統制における監査ログの評価を支援する「Senju Assessment Report」など多岐におよぶ。

Senju Children 10のキャラクター十手くんと十子ちゃん。

 また、先日発表された「Senju Children 10」は、これまでエンタープライズ向けだったSenjuを中小規模向けにしたサーバー管理ツール。最大10サーバーの運用管理に対応し、運用管理を30万円からスタートできる。

 これらSenju Children 10やSenju Operation Conductorなどで搭載されている機能で、もっとも特徴的なのが、ランブックオートメーションと呼ばれるオペレーションの自動化機能だ。特定のイベントが発生した際に、手順書に基づいて行なう作業を定義しておく。具体的にはコマンドやシェルスクリプトなどのセクション、セクションをまとめたチャプターなどを一定の分岐条件でつなぎ合わせて、一連のブックを作成する。これがまさに手順書となり、Senjuが人間の代わりに作業を行なってくれる。

Senju Children 10にも搭載されるランブックオートメーションの概要

 こうしたランブックオートメーションのような機能を使うと、特定の管理者に依存する運用管理のノウハウを自動化させることが可能になるという。應和氏は「現状、ソフトウェアやハードウェアの障害の発生検知や復旧などの作業は完全に属人化している。誰かに作業が集中してしまい、全体の管理のレベルを下げてしまうことが多い」と語る。しかし、こうした一連の作業を見直し、整理していくと、運用管理ツールで自動化・省力化が可能になるところが多いのだという。障害復旧までに毎回手作業で行なってきた作業のナレッジを吐き出し、ランブックオートメーションに組み込めば、管理者の作業負荷は大きく軽減される。「アラートが上がっても、復旧までの作業が自動化される。管理者の眠れる夜を確保する」(應和氏)というわけだ。

 システム管理ツールといえば、HP OpenViewやIBM Tivoli、日立製作所のJP1などのほか、低価格なツール、オープンソースのものまで数多い。しかし、中小規模ではまだ決め手となる製品がなく、日立製作所の「JP1 Ready Series」をはじめとし、多くのベンダーが参入を進めている。こうしたなか、金融機関や流通系で幅広い実績を持つSenjuの遺伝子を持ったSenju Children 10がどこまで受け入れられるか、興味深いところだ。

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