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妥協しない高品質電源選び 第2回

妥協しない高品質電源選び【Antec編】

2010年04月06日 18時00分更新

文● 宇野 貴教

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Antecのオススメ電源は?

 さて、Antecの電源へのこだわりは伝わっただろうか? ではここで同社を代表する製品を詳しく見ていこう。

80PLUS SILVER認証の1200W電源
「TPQ-1200」

実売価格:2万8000円前後

トリプルSLIも大丈夫!

 「TPQ-1200」は、総合出力1200Wを誇るハイパワー電源である。1200WともなるとトリプルSLIといった極まったシステムでも容量不足になることはないレベルで、ハイエンドのCPUとビデオカードを同時に酷使するような使い方を想定するユーザー向けと言える。80PLUS SILVER認証を取得しており、定格出力の20%から100%のすべての負荷時において、変換効率85%以上の省エネルギー性能を持つ。電源ユニットは定格出力の50%付近が最も高効率のため、定格出力が高すぎるとロスが多いゾーンが広くなるが、この変換効率の高さならそれを気にする必要性は低いだろう。

赤いラインに“1200”の文字が特徴的な外観。奥行きは一般的な電源よりもかなり長く、ケースによっては5インチベイと干渉する可能性がある

 大出力電源と言うこともあり、奥行きは315mmと一般的な電源ユニットよりもかなり長めだ。設置の際は電源部周辺にかなり余裕のあるケースが必要になる。大型サイズだが搭載される冷却ファンはPWMタイプの80mm角と小さめで、排気口部分に設置されている。メインの吸気口は排気口と反対側に用意されており、ケースの前面からCPUなど他パーツで熱せられていない温度の低いエアを取り入れる仕組みだ。高効率変換による低発熱と冷たい空気による冷却で、小型ファンでも十分冷却をまかなえるわけである。小型ファンで十分な風量を得るためには回転数が高めになるため静音には不利だが、低負荷時のファンノイズはほとんど気にならないレベル。500W程度の負荷をかけてみたところファンノイズは多少聞こえる程度になるが、このレベルの負荷になると、CPUやビデオカードのクーラーのほうがはるかに大きなノイズを出すので気になることはないだろう。

マザーボードやCPUへの給電など、必須ケーブルは内部から直接出ている。必要に応じてPCIなどのケーブルをプラグ方式で追加可能

冷却ファンはPWM80mm角でケース背面の部分に配置される。電源ケーブルは汎用タイプのものが使えないので注意

 ケーブルはCPUや各種ペリフェラルといった必須のものが内部から直接出ており、必要に応じてプラグ方式でPCI-E、SATA、4ピンペリフェラルを追加するハイブリッドタイプ。ケーブルは固めで、引き回しは少々やりづらく感じた。各ケーブルにフェライトコアのようなものが付いているが、ここには大容量コンデンサが搭載されており、突発的な高出力時において予備電力として機能し、より安定した出力を継続して行なえる仕組みだ。12V系統は38Aが6系統も用意されており、出力不足を考慮する必要性はまずないだろう。

フェライトコアに見えるのは、パワーキャッシュのコンデンサー。安定化に貢献するが、大きいため少々じゃまに感じるのが難点

大出力モデルということもあり、内部の密度はかなり高く、コンデンサやコイル、トランスも大型である。冷却用のヒートシンクも巨大だ

 店頭価格は2万8000円前後と、さすがに大出力高級モデルだけあってかなりの価格設定だが、ハイエンドビデオカードを2枚使うようなユーザーには機能、信頼性ともに頼もしい仕様である。

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