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“世界へ羽ばたく作家を発掘”するぞ

週アス“ショートムービーコンテスト表彰式”が開催!

2010年03月24日 15時06分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

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表彰式の記念撮影

表彰式の記念撮影。受賞者、審査員ともにガッツポーズ!


グランプリは特例の両部門受賞

 週刊アスキーは21日、2003年より毎年開催している動画コンテスト「ショートムービーコンテスト」の表彰式をビジョン秋葉原にて開催した。

 今回で第8回目となるこのコンテストでは、「フリー部門」と「ケータイ向け動画部門」で30秒間の自作ムービーを募集した。作品のテーマや表現方法は実写、アニメ、Flashなど自由で、合計約150作品が寄せられた。ノミネートされたのは21作品。そこからさらに厳選して、6作品が受賞する結果となった。

 ノミネート作品や受賞作品は「週アスPLUS」で公開されているので、ぜひ一度ご覧いただきたい。

福岡俊弘氏

実行委員長の弊社 週刊アスキー編集人である福岡俊弘氏

杉山知之氏

デジタルハリウッド大学 学長の杉山知之氏

ダイノ サトウ氏

アニメーション作家で前回グランプリ受賞者のダイノ サトウ氏

サエキけんぞう氏

アーティストのサエキけんぞう氏

宮野友彦氏

週刊アスキー編集長の宮野友彦氏

大口孝之氏

映像クリエーター/ジャーナリストの大口孝之氏


「これは“第1回”のコンテストである」

 実行委員長の福岡俊弘氏は、3月9日に行なわれた初音ミクのライブの話(関連記事)を引き合いに、「今回のショートムービーコンテストは、世界に出ていく作家さんを発掘する“第1回”のコンテストである」と熱い口調で語った。

 コンテスト発足の当初の目的は、携帯端末で見る短い映像の中で、感動や面白さを伝えられる“映像リテラシー”をもった作家を育てたいという思いからだった。しかし、Zepp Tokyoで3D映像の初音ミクライブが開催されて、2000人以上が熱狂。しかも、初音ミクの持ち歌である1万6000曲以上は日本のネットユーザーがそれぞれに作成したもので、当初の目的は達成されたと思ったのだという。

 そこで確信したのは、5年程前まではネットによるグローバル化により、欧米の価値観が否応なしに入ってくると言われていたが、今起こっているのは全くの逆。日本的なローカルコンテンツの大爆発が起こり、それが世界へ発信されている。

 これは、「われわれ日本人が作り上げてきた“日本的なリテラシー”が、いよいよ世界に羽ばたいていく時期に来ている」からだ、福岡氏は言う。

 そんな熱い思いを込めて選ばれた受賞作品と受賞者を、順次紹介していこう。


グランプリ

山本蒼美氏。「+Happiness+」の声優さんはネット上で応募し、無償で声を当ててくれたと感謝を述べた

 今回のコンテストでは、山本蒼美氏がフリー部門とケータイ向け動画部門の両グランプリを特例のダブル受賞。フリー部門の「+Happiness+」は、セルアニメの手法をパソコンで表現している点と、キャラクターの顔にオリジナリティがあった点が評価された。そして、登場する男子学生の台詞のイントネーションなど、雰囲気がよく出ていると絶賛された。

 ケータイ向け動画部門の「Good,Morning!」については、技術力はもちろんだが、眠気を表現する“ほわん”としたグラフィカルな美しさ。また、「+Happiness+」と見比べてまるで別人が作ったような表現方法を用いている点が、審査員を驚かせた。

 今後は、作者に対する作成環境のインタビューやCG作成スタジオ見学への招待とそのレポートが、週刊アスキーに掲載される予定だ。


フリー部門賞

萩生田 優氏。ミニマル的な作風と同様に、テクノ音楽や電子音が好きだという

 萩生田 優氏の「あるまちの燈」が受賞。応募作品のなかでは珍しくミニマル的、つまりパターン化された要素を反復させることで、映像として成立させた点が特筆される。これからますます発展していく可能性がある作品である、との評価を受けた。


ケータイ向け動画部門賞

井出脇 章博氏。作品の題名の通り、まだ練習段階で詰め込み切れなかった部分もあったが、とにかく今頭の中にあるものを形にしてみたかったと語った

 井出脇 章博氏の「Etude for loop」が受賞した理由は、シンプルな色使いや動きが評価されたため。画面をつなげていくと“万華鏡”のようになる部分が面白いのだが、「まだ作り込む要素がある」との期待を込めたアドバイスを受けた。


特別賞

じゅんはじめ氏。作品は、締め切りの4日前に撮影し、3日で完成させ応募したので、予想外の受賞だったとのこと

 特別賞はフリー部門から、じゅんはじめ氏の「短気な男」と海津 研氏の「少年と馬」が受賞した。海津氏は今回、諸事情で表彰式に参加できなかった。

 「短気な男」については、起承転結がきちんと成り立っており、最後までドキドキしながら見られると評価された。

 「少年と馬」は鉛筆による手書きの作品で、今回の応募作品の中でもカット枚数が一番多く、なめらかな動きが注目を集めたのが受賞の理由だという。

 最後に福岡氏は、「今回の応募作品はすべてレベルが高かった」とコメント。惜しくも受賞を逃してしまった人、今回の作品を見て興味を持った人はぜひ、次回のコンテストにチャレンジしてほしい!


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