パスワードやタイムゾーン、コンピュータ名の設定方法を理解しよう
Windows Serverの初期設定はどうやるの?
2010年03月30日 09時00分更新
サーバを管理する
「初期設定」画面を終了すると「サーバーマネージャ」画面が起動する(画面7)。「初期設定」はこのあと使うことはほとんどないが、「サーバーマネージャ」はよく使う。「サーバーマネージャ」の本質は、複数の管理ツールを1つにまとめたものである。単にまとめるだけではなく、診断ツールなども組み込まれていて便利だ。ここでは、Internet Explorerのセキュリティ強化機能と、ローカルユーザーの管理ツールについて紹介する。そのほかの機能は次号以降で順次紹介する。
IEのセキュリティ強化
Windows Server 2003以降、Webブラウズ中に悪意のあるプログラムからの侵入を防ぐため、Windows Serverが搭載するInternet Explorerのセキュリティは大幅に強化されている。これが「Internet Explorerセキュリティ強化の構成」、英語版では「IE ESC(Enhanced Security Configuration)」という機能だ。このIE ESCが有効になっていると、明示的に許可をしていないWebサイトからのファイルダウンロードを禁止するといった制限が加えられる。
ただし、通常のWebブラウズをするだけでも制限がかかるため、使い勝手はよくない。時にはリスクを承知で一般的なWebブラウズをしたい場合もあるだろう。その場合、Windows Server 2003では、「コントロールパネル」の「プログラムの追加と削除」からIEのセキュリティ強化機能を削除できる。また、Windows Server 2008では「サーバーマネージャ」の「セキュリティ情報」セクションで「IE ESCの構成」を選択する。これにより、管理者と一般ユーザーそれぞれに対してInternet Explorerのセキュリティ強化を有効にするか無効にするかを選択できる(画面8)。
ローカルユーザーの管理ツール
「サーバーマネージャ」の「構成」-「ローカルユーザーとグループ」-「ユーザー」を選択すると、右ペインにユーザー一覧が表示される。ユーザーをダブルクリックすれば、属性の変更が可能である。
Windows Server 2003以前は、管理者Administratorのパスワードは無期限に設定されていたが、Windows Server 2008から一般ユーザーと同じ扱いになった。従来通り無期限で使いたい場合は、Administratorをダブルクリックし、「全般」タブで「パスワードを無期限にする」を選択しておこう(画面9)。
ベンダーインストールとの違い
以上で、Windows Server 2008のインストールと初期構成は完了である。実際にベンダーインストールを行なう場合は、今回紹介した手順を思い出しながら作業して、どこが同じでどこが違うのかをよく認識してほしい。
Windows Server 2008のインストール作業は以前のバージョンに比べて大幅に簡略化されているので、標準インストールでもベンダーインストールでも、特に戸惑うことはないだろう。
なお、Windows Server 2008ではインストール時間も短縮されている。これは、ファイルを個別にコピーする方法から、必要なファイルを1つのファイルにまとめたイメージを復元する方法に変わったためである(イメージファイルの拡張子はWIM)。
Windows Server 2003では、ベンダーインストールと標準インストールで所要時間がかなり違った。これは、Windows Server 2003のベンダーインストールは、標準インストールのあとにベンダーインストール作業を行なっていたためだ。
一方のWindows Server 2008では、ベンダーインストールの作業が終わった後のイメージをそのままインストールイメージとして利用できる。そのため、ベンダーインストールの所要時間と標準インストールの所要時間は、それほど変わらないはずだ。
インストールが完了したら、次はActive Directory環境の構築である。Active Directoryには難しそうなイメージがあるようだが、基本的な環境は簡単に構築できる。また、Windows Server 2008ではエラーチェック機能やActive Directoryの自動インストール機能も充実している。心配することはない。
(次ページ、「64ビットモードへの移行」に続く)
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