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プロがなぜ3Dミクに「本気」を出すのか Tripshots流の創作論

2010年03月12日 12時00分更新

文● ノトフ

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自分の曲を伸ばすため、「ちょろっと」PVつけてみた

―― クリエイターとしての経歴を聞かせて下さい。

Tripshots 中学生の頃からMSXとかを使って、打ち込みで音楽やってたんです。その後も音楽はずっと続けてたんですけど、社会人になって忙しくなると、必然的に辞めてきますよね。けど、仕事でもデザインから始まって映像を作り始めて、音を使う機会が増えてきて「じゃあ、プライベートで音いじってみよう」ということで始めました。

Tripshots氏。Twitterで「どろりっちなう」と最初につぶやいた伝説の人物としても知られる

―― 初音ミクを使ったのは何がきっかけで。

Tripshots OSTER projectさんの「恋スルVOC@LOID」を聞いて、「これはスゴイ!」と思って買ったんですよ。



―― 最初は音楽を作りたいっていう衝動だったんですね。

Tripshots 今もそうですよ。あくまで音楽の分野で自分のスキルを伸ばすために作ってるという側面は、かなりあります。映像は自分の曲を伸ばすためでもありますね。仕事でやっていた延長線上で、ちょろっとつけてみようって。

―― ちょ、ちょろっと?!

Tripshots 今となっては「ちょろっと?!」ですけど、最初は本当に「ちょろっと」やってたやつもあったんですよ、静止画だけとかで。でも、やっぱりどうしても凝ってきちゃって。「Nebula」を作ってた頃は本当につらかった……。

―― それでも、映像をつけたかったんですか?

Tripshots そうですね。「anger」をやって「Creaning switch」をやった後は、皆さんに期待もしていただいていたし、自分もどこまでいけるかっていうのを試してみたかったんです。確かに作ってる時はつらいですよ、追い詰められてます。でも、それぐらいの勢いでやらないと、心にくるものは出来ないですよね。



―― それはやっぱり仕事にはかけられない情熱があったんですか?

Tripshots 仕事って、基本的に納期があるじゃないですか。タイトなんですよね。予算の縛りは当然あるんで、やりたいことって半分出来ればいいかなみたいなところがあるんですよ。長くこういう仕事してると、そういうフラストレーションってすごくたまるんです。でもやっぱり表現至上主義として考えれば、そんな風に見せる必要がないっていう葛藤がどうしてもあって。そういうのを全部排除して、自分が気持ちいい曲と見せ方、映像を突き詰めていきたいっていう思いがあって。

―― 自分の力はこんなものじゃないんだという風な。

Tripshots というより、「こうした方がいい」っていう自分の中での確固たるものがあって、それを出したいっていうだけです。

ちなみに今回の取材はTwitterで「ご指名」いただいた。こう言われて行かないわけがない

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