電子書籍をニコ動化!?
Layered Reading
ダブル受賞に輝いたProject LRが発表したのは「新たな読書体験とビジネスを創出する、電子書籍のアイデア(Layered Reading)」。電子書籍の上にレイヤーを乗せ、そのレイヤーに書籍の付加情報が書き込まれることで、“本を読む”という行為を楽しくしようというものだ。
デモンストレーションでは、ビジネス(電子)書籍を読んでいるユーザーが、上司の「この個所を読んでね」という「リクエスト」を受け取り、その上司のレイヤーをダウンロードすることで、書籍の該当個所に上司が入れたアンダーラインやコメントを閲覧する、というシナリオが展開された。
ほかにも、ファッション雑誌に掲載されたスカーフに関して友達と「私買う!」といった会話が交わされたり、商品情報が表示されたりという展開や、絵本の上に被せたレイヤーを使って、“触って動く絵本”もデモされた。
Project LRがLayered Readingで採用を考えているビジネスモデルは、出版社から「ソフトウェア使用料」、「追加コンテンツや商品購入時の決済手数料」、「文章単位、ページ単位の生声を集めたマーケティングデータ提供料」を得るというものだ。
Project LRの3人は、もともと大学時代の友達同士。現在三谷氏が米国在住のため、深夜にSkypeでミーティングをしたり、土日に作業をしたりと、使える時間をフル活用して今回に臨んだ。また、Layered Readingを作る前には、同じくレイヤーという概念を用いた電子新聞を作っていたのだそうだ。それを活かして電子新聞を提出するか、それとも電子書籍で行くのか、かなりの議論をして電子書籍へと舵を切ったのだそうだが、それが見事奏功したというわけだ。
次ページに続く