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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第18回

最底辺に住む「天才」 孤高のボカロP、山本ニューの正体は

2010年03月06日 12時00分更新

文● 四本淑三

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実はニッチなレコードコレクター

―― じゃ、始めましょう。今日はすごく楽しみにしていました。

山本 あの、最初に一言だけ言わせてください。もう二度と言いませんから。

―― あ。何でしょう。どうぞ。

山本 僕みたいな者まで取材対象に入れちゃうとですね、「自称クリエイター」の際限ない泥沼にハマっちゃいますよ。

山本ニュー氏(36)。防塵マスクだ

―― その覚悟は出来ています。というかもう手遅れです。ところで何で「山本ニュー」なんでしょうか?

山本 本名が山本新一だからです。

―― お、なるほど。

山本 というのは嘘です。

―― ちょっと、もしもし!

山本 あ、はいはい。僕はですね、ニューミュージックが好きなんです。関西のごく狭い範囲なんですけど、ニッチな歌謡曲ばかり集めているレコードコレクターとして知られていたんですけどね。それで「山本ニューミュージック」というハンドルを使って、ある人の掲示板に書き込もうとしたら、字数制限で書き込めなかったので「山本ニュー」に。

―― レコードコレクターとしての話は伺っています。P-Vineの「テクノ歌謡」※1の選曲をされたということですが。

山本 DJとして、友達と回しているうちに、なんかそういう話になったんですね。テクノ歌謡なんてやってたんで「好きなんですか?」って言われるんですけど、YMOには興味ないです。テクノ歌謡は好きですけど。

※1 テクノ歌謡 : 1999年に発売された全8枚の画期的オムニバスCD。東芝EMI、ポリドール、ビクター、ポニーキャニオン、テイチク、アルファ、徳間ジャパン、キングレコードとレコード会社別に編集されていた。

―― DJ以外の音楽活動をしたことありますか?

Image from Amazon.co.jp
A Week Away

山本 一回だけバンドをやったことがあります。僕はボーカルで、あとはギターとベースとドラムっていう。いきなり初顔合わせで、初めてのステージで演って、17時間で解散した、ウンテンイサオとコロボックルというバンドを。

 あとスペアミント※2の前座として、オレンジャーズというバンドで、スターボーとか野坂昭如の「黒の舟唄」とかをやりました。スペアミントのメンバーには大ウケだったんですけど、日本のギターポップ好きは怒り狂ってたらしいです。

※2スペアミント : UK出身のギターポップバンド。代表作は「A Week Away」(1999)

―― そういえば「歌ってみました」の歌は上手いですよね。

山本 上手いですね。自分で言うなって感じなんですけど。安田成美の「風の谷のナウシカ」で90点代後半を出せたのは自慢ですね。

―― それカラオケですよね。

山本 カラオケです。

―― なぜボーカルとして真面目な曲をやらないんですか?

山本 飽きっぽいからですね。努力が苦手というか。



―― 初音ミクも、飽きっぽい人には難しいと思うんですけど。

山本 そうですね。僕はオタク文化が嫌いなんです。でも「曲がいいんだよね」とか言いながら、気が付いたら初音ミクの動画ばかり検索してるんです。それで「どうも萌えというものが分かった気がする」と、うちの奥さんに打ち明けてしまったわけです。ちなみに僕は不細工ですが、奥さんは美人です。

―― それは素晴らしいです。子供さんも歌ってますよね。

山本 子供でも出しときゃウケるかなと思ったんですよね。ちなみに子供も可愛いです。

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