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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 ― 第7回

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意外と「緩い」仕組みで始まった日経電子版の狙いとは

2010年03月01日 09時00分更新

文● 大河原克行

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 日本経済新聞社が、3月23日から、「日本経済新聞電子版」を創刊する。購読受付開始は、今日、3月1日からだ。

会見には多くの記者が詰めかけ、後ろの方は立ち見となった

 電子版では、情報をいち早く提供するWeb刊、午前4時と午後3時に提供する朝刊/夕刊、そして、読者ごとの目的や関心に応じて電子版を使いやすくするパーソナライズ機能のMy日経を用意。さらに、記事検索サービスや携帯電話への配信サービスも行う。

日本経済新聞社の喜多恒雄社長

 日本経済新聞社の喜多恒雄代表取締役社長は、「若者を中心に、紙の新聞よりも、ネットで情報を得る人たちが増えている。だが、情報が本当なのか、発信源はどこか、事実を確認したものなのかといった点が不明確であり、情報の洪水のなかで確かなものがわかりにくくなっている。紙の新聞で培った正しい報道、価値のある言論を伝えることが報道の役割である。PCや携帯電話に、良質のジャーナリズムを提供することが課せられた役割だと考えている。そして、読者ニーズに細かく応えることも役割である」と、電子版開始の意図を説明する。

日本経済新聞電子版の紙面

 インターネット媒体として定着しているNikkei Netの名称を継承せずに、「日本経済新聞」と同じ題字を横組にして使ったのも、創刊以来135年に渡る歴史を持つブランド、価値を前面に打ち出すためのこだわりだ。社内ではこのロゴを「古くさい題字」とも表現するが、それが喜多社長が語る「良質のジャーナリズムの提供」という言葉につながるものになる。

 その一方で、喜多社長は、次のようにも語る。

 「紙の新聞はこれからも続くが、将来に向けて、大きな成長を期待することは難しい。デジタルで収益を得ることは不可避であり、デジタル分野での成長の中核は電子版になる。新聞各社は、厳しい経営環境のなかにあるが、新たなステージに入ることが必要。すぐに成功するとは思っていない。5年、10年かかるかもしれない。だが、いまスタートさせないと10年後の成功はない。欧米のメディアは様々な分野に挑戦している。当社も様々な分野に挑戦したい」との経営判断から取り組んだものだと、電子版を位置づける。

 購読料は日本経済新聞の読者は月額1000円。新聞を購読せずにこの電子版だけを購読する読者は月額4000円。また、IDを登録すると一部有料部分も無料で読める登録読者、これまでの「NIKKEI NET」のように無料で配信される記事だけを読める一般読者の仕組みも残す。

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