ロードマップでわかる！当世プロセッサー事情 第41回

わかりにくいGPU＆チップセット コード名まるわかり

プラットフォームが絡むと覚えにくくなる
インテル チップセット

　最後はインテルのチップセットについての話で締めくくろう。インテルの場合、個々のコード名はまだしも、ここにプラットフォームのコード名が絡んでくるので非常にわかりにくいというか、混乱する。これは特にモバイルの場合に顕著で、CPU、チップセット、ネットワークとプラットフォームという4種類のコード名がペアで語られるため覚え切れない。

　まずはデスクトップ向けから。以前はコード名に以下のような規則があった。

• ハイエンド：xxxxwood
• メインストリーム～バリュー：xxxxdale

　ところが「Intel 945P」あたりからこれが崩れており、「Lakeport」(Intel 945P)とか「Broadwater」(Intel P965)などが登場。Intel 3シリーズは「Barelake」、4シリーズは「Eaglelake」、5シリーズは「IbekPeak」といった具合に、あまり規則性がなくなっているようだ。

インテル チップセットのコード名一覧

用途	製品コード名	製造プロセス	製品
デスクトップ	Barelake	130nm	Intel G31/G33/G35/P31/P35/Q33/ Q35/X38/X48
	Eaglelake	90nm	Intel G41/G43/G45/P43/P45/Q43/Q45
	Tylersburg		Intel X58
	IbexPeak	65nm	Intel H55/H57/P55/Q57/QS57
	CougerPoint	45nm	N/A
モバイル	Cantiga	90nm	Intel GL40/GS40/GS45/GM45/PM45
	IbexPeak	65nm	Intel PM55/QM57/HM55/HM57
	Poulsbo	130nm	Intel UL11LUS15L/US15W/US15WP/ US15WPT
	TigerPoint		Intel NM10
	Langwell	45nm？	N/A
サーバー	Mukilteo	130nm？	Intel 3000
	Whitmore Lake		Intel 3100
	Bigby		Intel 3200/3210
	Blackford	90nm？	Intel 5000P/5000V/5000Z
	Greencreek		Intel 5000X
	Serburg		Intel 5400
	SanClemente		Intel 5100
	Twincastle		Intel E8500
	Clarksboro		Intel 7300
	Tylersburg	90nm	Intel 5500/5520
	IbexPeak	65nm	Intel 3400/3420/3450
	Boxboro	65nm？	N/A
	CougerPoint	45nm	N/A

　ちなみに表では省いたが、実際には以下のような接尾語もあった。

• 外部GPUのみ(内蔵GPUなし)：-P
• 外部GPU＋内蔵GPU：-G
• 内蔵GPUのみ(外部GPUなし)：-GL
• 外部GPU＋内蔵GPU、ビジネス向け：-Q

　この接尾語とコード名を組み合わせれば、ほぼチップセットが決まるといった形になっていた。ただこれもIntel 4シリーズ位までで、Intel 5シリーズは全部がIbekPeakとして扱われている。もっとも、Intel 5シリーズ以降はGPUコアがCPU側に移ってしまっており、“G”をつけるのも変だ、ということなのだろう。

　こうした名前はモバイル向けにも継承されている。コード名はデスクトップと共通の場合もあるし、異なる場合もあるが、規則そのものはほぼ同じである。Intel 5シリーズではIbekPeakで統一されてしまっているのも、デスクトップと同じだ。

　やや異なるのはサーバー/組み込み向けである。デスクトップ/モバイルほどラインナップがないこともあり、ほぼコード名が1対1に近い形で製品に結びついているのがわかる。こちらもコード名はかなり適当というか、明確な規則性はなく、とにかく「地名でありさえすればいい」という感じのまま続いているようだ。