ボーカロイドと人間の中間を狙った
―― なんかイメージ違ってきちゃったんですけど、ちりんさんは歌をいつ頃から始めたんですか?
ちりん 6年くらい前になるのかな。
おん 実家がカラオケスナックみたいなのをやっていて、そこに楽器をやっている人たちが毎週のように集まって、セッションになるんですよ。そこで歌わせたりしていて。それが修行のようなセッションで、キーも決めずに誰かがリフを弾き始めたら、皆がそれに合わせると言う。
―― それにボーカルも即興で合わせるわけですか?
ちりん 歌の時は「みんなで作ろう!」みたいな感じになるんですけどね。その後で、私が童謡のような簡単な歌詞を作って、それにおんが音を付けてくれて、そんな感じで出来上がった作品がいくつかあります。
―― それがスズナリの原型なんですね。ところで、ちょっと意地悪な質問ですが、ボーカルはハーモニーがやけに正確ですよね?
おん ああ、それは言っておいた方がいいですね。歌のテクを聴いてくれ、というのではないので。ボーカロイドと人間の、中間くらいを狙っているんです。だから録った後でバリバリ編集しています。
―― ピッチ補正ソフトのようなものを使っているということですか?
おん それが何かは内緒ですけど、操作はしています。だから人間の「歌ってみた」という意識はないんですよ。途中でタグも「音楽」に書き換えたし。
ちりん でもパーフェクトマイノリティーだけは違うんですよね。
おん あれは今まで使ってきたソフトは使わずに、ダブルトラックという手法で、同じメロディでボーカルを2回重ねて、微妙なズレを生かすという方法でやっています。
―― あれは新境地ですよね。特に後半のシャウトするボーカルが。あれが地の声ということですか?
ちりん はい。それで歌い方はフィンガー5を意識しているんです。
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