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日常生活に馴染むデスクトップオーディオ

ヤマハ「TSX-70」と一緒に暮らしてみた!

2010年03月04日 18時00分更新

文● 鳥居一豊

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ながら聴きのBGM用であっても、音は妥協したくない!

 一通り眺め終わったところで、さっそく使ってみる。まずは手っ取り早くリビングに置いてみた。AVシステムがある部屋で使うことはなさそうな気もするが、仕事以外の時間はここで過ごすことが多いので、読書中のBGM用として気軽に使えるシステムがあるというのも結構便利だ。

 音はひと言でいってしまえば、欲張りすぎずに音楽の美味しいところを楽しませてくれる絶妙なバランス。低音域はサイズを考えれば十分にパワフルで、ジャズのウッドベースの低音弦を弾く感じも雰囲気たっぷりに伝えてくれる。

4つのアタッチメントを差し替えることでiPod各シリーズ、そしてiPhoneに対応する

 見た目とは裏腹に、聴いていると不思議と物足りなさがしない。充実した低音に支えられたサウンドは落ち着いた深い響きや身体が弾むようなリズミカルなドラムもしっかり再現するし、なによりも安定感があり、リラックスして音楽を楽しめる。

 そして、高域のしつけの良さが絶妙。いろいろな楽器の描き分け、声のニュアンスなどはしっかりと再現しつつも、嫌な音は出さない。じっくりと聴き込むようにしても聴き応えがある音になっている。

 この絶妙なチューニングは、さすがは楽器メーカー・ヤマハの仕事だ。音楽を楽しめるものに仕上げるには、作り手が音楽をわかっていないとできるわけがない。そういう上手さを感じる。

 底面のウーファーは、背面のトーンコントロールで低音感を調整できる。ロックやポップスなど、パワフルに音楽を楽しみたいなら、低音を適度に増強するといいだろう。また、下の写真のように置き台が通常のラックと違って下部が開放された状態だと、低音はややすっきりとタイトになる。試しにAVラックの上にも置いて聴いてみたが、その場合は低音の響きが増しリッチな感触になる。このあたりは好みでいろいろと試してみるといいだろう。


曲+アラームなどの設定も可能。やさしいサウンドで快適起床

 「TSX-70」の特徴として充実したクロックラジオ機能も挙げられる。まずはキッチンタイマーを試してみた。

リビングでは、リモコン置き場にしている小型ラックに置いて使った。途中小腹が減ったので、ラーメンタイマーとしても活用

 操作はタイマーボタンを押して、チューニングボタンで時間を1分単位で設定し、もう一度タイマーボタンを押すだけ。すると、時計表示がカウントダウンタイマーになる。ちなみに、iPodなどで音楽を再生している最中でも、タイマーは使用できる。時間が来ると音楽がミュートされ、タイマー音が鳴るので、音楽にまぎれてタイマー音を聞き逃してしまうようなことはない。このあたりも、よく考えて作られていると感じた。

 聴き心地がよく、音楽を楽しく聴けるサウンドは、日常生活の中で気軽に音楽を聴くようなスタイルにはとても相性がいい。個人的にはあまり調理する機会はないのだが、タイマー機能を生かして、キッチンに置いておき、音楽を聴きながら料理をしたり、ときにはキッチンタイマーとして活用するような使い方もアリだと思う。

 これはいろいろな場所で使ってみると面白そうということで、次は寝室に持ち込んでみた。寝室といっても、狭い和室にふとんを敷いただけの空間だが、そんな手狭な場所でも問題なく設置できるコンパクトさがありがたい。また、携帯電話があれば時計は不要なので、時計そのものを持たない生活になってかなり長いのだが、インテリアのひとつとして、こうした小物があるのはいいものだとあらためて実感する。もちろん、本機の質感の高いデザインあってのものだが。

優しい音色で気持ちよく目が覚めた。コンパクトなサイズなので、狭いスペースにも置けるし落ち着いた雰囲気のデザインは和室ともマッチしている

 寝室では音量をかなり絞って聴いた。たいがいのオーディオ機器は広い部屋でそれなりの音量で聴くとだいたいよく鳴るもの。小音量再生でも低音不足にならず、きちんと聴けるかは重要なポイントだ。

 本機はその点でも合格。音量を絞っても音が痩せてしまうようなことがなく、適度に量感を持たせた低音がしっかりと音楽を支えてくれる。さすがは低音専用にウーファーを備えているだけのことはある。

 心地よい音量で音楽を聴いていると、じんわりと眠気がやってきた。そろそろ明日の目覚ましをセットして、寝ることにしよう。

 アラームの設定も実に簡単で、ほぼ上部のボタンだけで可能。しかも、操作するべきボタンが点灯するので、薄暗い寝室でも間違えずに操作できるのがうれしい。そして、スリープタイマーは、上部中央のスリープ/スヌーズボタンを押すだけ。ボタンを押す事に30/60/90/120分が切り替わるので好きな時間が表示されたら操作は完了。表示パネルにスリープインジケーターとスリープ時間が表示されるので、こちらは暗闇でも迷わず操作できてしまう。

周囲が暗くなるとフロントパネルの照度も下がる。調光機能のおかげだ

アラームの設定は、まず、上部の「SET」を押す。すると、アラームインジケーターが表示され、ボタンも設定の必要なものだけが点灯するようになる

 では、就寝。部屋の灯りを落とすと、時刻表示もスッと暗くなった。この至れり尽くせり具合は使っていて実に気持ちがいい。暗闇の中でも眩しすぎることもなく、ちょうどいい調光加減だ。快適な音楽を聴きながら、気持ちよく眠りにつけた。

 そして、朝。夢心地の中、昨晩寝付くまでに聴いていた音楽が鳴り始める。夢でも見てるのかというくらいのさりげなさ。多分、夢なんだろうなとそのまま目を閉じていると、だんだんと音楽が大きくなってくる。

 これ、凄くいい!

 ふだん使っている携帯電話のアラームは、時間が来るといきなり大音量でアラーム音が鳴り出すものだから、目覚めが急激で正直不快。だから早朝から出掛けなければいけないときくらいにしか使わないが、このアラームなら、毎日使いたいと思った。

 このアラーム機能を詳しく解説しよう。アラーム音にはすべての音源が利用できる。つまり、iPod内の音楽、FM/AMラジオ、内蔵アラーム音の3種類。正確に言えば、背面のスイッチでソース(iPod/外部入力/FM/AMラジオ)、アラーム、ソース+アラームが選択できるようになっている。

アラームタイプの設定は背面のツマミで選択。ソース+ビープ/ソース/ビープの切り替えが可能。iPodの音楽を使う場合は、前面のソース切り替えで「iPod」に切り換えておく

時刻の設定は、チューニングボタンの上下で行なう。1回押すと1分単位で設定でき、長く押し続けると時刻が早送りで変化する

 iPodをソースに選んだ場合は、直前まで聴いていた音楽の続きが再生される。目覚ましに使いたい曲を選んでおけば、好きな曲を目覚まし音楽にできる。FM/AMラジオの場合はあらかじめセットしておいた放送局のその時間に放送されている番組となる。

 また、音楽の音量の変化は、指定した時刻の3分前から徐々に大きくなるというもので、単に音量を変化させるだけでなく、耳障りになりがちな高域の音も最初はカットしている。また、ソース+アラームの場合は設定時刻になると音楽に加えてアラームが鳴る。

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