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NTT ComがTier1ネットワークを熱血解説

日米回線の容量が300Gbpsに!NTT ComがTier1を語る

2010年02月10日 08時00分更新

文● 吉川大郎/TECH.ASCII.jp

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「Tier1ネットワークを知っていますか?」NTTコミュニケーションズは、同社の国際IPバックボーン「グローバルIPネットワークサービス」の日米間の回線容量が、1月末時点で300Gbpsに達したことを発表し、同時にTier1ネットワークの認知を広めるための記者説明会を開催した。

若井直樹氏
NTTコミュニケーションズ グローバル事業本部 IPビジネス部 若井直樹氏

 説明をしたのは、NTTコミュニケーションズ グローバル事業本部 IPビジネス部の若井直樹氏。グローバル事業本部とは、「いわゆる国際部ですね」(若井氏)とのことだ。こうしたひとことにも表われているとおり、若井氏の解説は平素な言葉で大変分かりやすいものとなっていた。

 「Tier1ネットワークとは、インターネットの経路情報を他社から買わなくてよいほどの大規模なISPグループ」と定義した若井氏は、冒頭でTier1ネットワークを鉄道に例えて解説した。たとえば、首都圏の例になるが、町田から北千住に移動する場合、小田急線→JR山手線→JR常磐線と乗り換えていくわけだが、乗り換えの時間や途中に事故/遅延があるなど、到着時刻が遅れたり場合によっては辿り着けないこともある。ところが、町田駅からロマンスカーに乗ってしまえば、路線の乗り継ぎもなく、ダイレクトに辿り着ける。これがすなわちTier1ネットワークだ、というのが若井氏の説明だ。

乗り継ぎ(左)とロマンスカー(右)

 若井氏は「メールなどではあまり感じないかもしれないが」と前置きしたうえで、テレビ会議システムなどのストリーミングを使ったアプリケーションでは、Tier1による品質の高さが大きく貢献すると説明した。

Tier1
Tier1ネットワークの概念
ISPの階層
ISPの階層

 続いて若井氏は、比較的小規模なネットワークであるTier3、中規模なTier2、そして大規模なTier1というISPの階層構造を説明、現在Tier1に位置づけられるISPは、NTTコミュニケーションズも含め、ベライゾンなど10社程度になる。では、Tier1になるには、どのような資格や条件が必要なのだろうか? 「実は明確な区分けはありません」(若井氏)。そのISPが抱えているネットワークの大きさによって、自他共に認められるのが、すなわちTier1ということになる。ちなみにAS(Autonomous System)については、「インターネットなどIPネットワークにおける識別番号」と説明するに留めた。

ピアとトランジット
ピアとトランジット

 こうしたTier1や2といった階層分けは、ISP同士の接続形態に関係してくる。ISP同士の接続には大きく「ピア」と「トランジット」の2種類が存在する。ピアは、自分と同等規模のISPと、お互いに無償で相互接続を行なう。トランジットは、下位のISPが上位のISPから経路情報を買って接続する。たとえば、Tier2に属するISPは、Tier1のISPにトランジット費用を支払い、経路情報を提供してもらう。下位のISPは、上位ISPと接続することで、より広範囲のネットワークに直接接続できるというメリットがある。

 ただし、Tier1の定義は前述のとおり、数による実力主義。従来Tier1として存在していたISPでも、抱えるネットワークが少なくなってくると、それまでTier1同士ピア接続されていたものが、トランジットになってしまう場合もある。近年でもこうした“リピア”による混乱があったという。

NTTコミュニケーションズは、
Tier1として何をしているのか?

 Tier1ネットワークに関する概要説明を追えたあと、若井氏はNTTコミュニケーションズのTier1ネットワークサービスの説明に移った。まずNTTコミュニケーションズがTier1プロバイダーになった理由だが、まずインターネット網の品質を世界レベルで高めるという目標があったからだという。大規模なバックボーン網を持つことで、日本国内に留まらずグローバルでのサービス提供に必要な、エンドツーエンドでの品質確保が可能になる。また、Tier1であれば、アジアのインターネット網と米国のインターネット網を一体化させた運用もできる。現在、アジア14カ国にNTTコミュニケーションズのネットワークが接続されていて、それらは日本を通って米国と接続されている。

 続いてNTTコミュニケーションズのIPトランジットサービスの紹介では、IPv6についてネイティブでのサポートとデュアルでのサポートの両方を提供している点、世界的にIPv6ネットワークの中で中心に位置づけられている点などが紹介された。

NTTコミュニケーションズのIPトランジットサービス
NTTコミュニケーションズのIPトランジットサービス
ネットワーク図
NTTコミュニケーションズのネットワーク
海底ケーブル
国際間の通信で重要な海底ケーブル

 サービス紹介の次はトラフィックだ。本日の発表は、日米間300Gbpsの回線容量を達成したというトピックが主題だったわけだが、この数字は2007年比で3倍ということになる。実は、日米間だけではなく、アジア側も伸びているのだそうだ。現在、NTTコミュニケーションズのTier1ネットワークを流れるトラフィックは世界で5位に数えられているという。

 こうしたトラフィックを物理的に支えているのが海底ケーブルなのだが、日中米間の光海底ケーブル「Trans-Pacific Express(TPE)」やアジアを結ぶ「Asia-Pacific Gateway(APG)」への参画のほか、海底ケーブル事業者Pacific Grossing Limited(PCL)買収など、物理インフラの増強も、続けられている。

 NTTコミュニケーションズは、閉域網が事業大きな柱となっているが、若井氏らが扱うのはパブリックなネットワーク。若井氏は、「ミスは許されない。我々のネットワークが遮断してしまうと、日本国内ばかりでなく、アジア諸国も影響を受ける」との言葉で解説を締めくくった。

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