

前ページではPCでのデジタル放送におけるデメリットとして「どんなPCでも動作できるわけではない」と述べたが、どんな環境が必要なのだろうか。改めて現状を整理していきたい。
地デジ放送の1440×1080ドットのハイビジョン画質をフルに楽しむのであれば、Core 2 Duoなどデュアルコア系CPUで2GHzクラス以上の性能が必要になる。これはハイビジョン映像を毎秒30コマで出し続けるのに負荷が掛かるのはもちろん、著作権保護のため暗号化されている地デジのデータをリアルタイムに復号処理したり、データ放送や番組情報の取得処理をバックグラウンドで行なう必要があるためだ。
では、それより遥かにCPU性能で劣るAtom搭載のネットブックなどでは地デジは楽しめないのか? 実はそんなこともない。確かにこれらのCPUではフルに地デジチューナーが持っている機能を動かすには処理性能が足りない。
しかしアイ・オー・データ機器、バッファローの2社では負荷の掛かる処理をオフにしたり、画質を落としてCPUの負荷を下げて視聴できるようにするモードを搭載した製品をリリースしている。もちろんあらゆるノートPCをカバーできるわけではないが、ネットブックだからと言ってまったく見られないわけでない。
なお、メモリーに関しては1GB以上が目安だ。アイ・オー・データ機器ではWindows XPに限って512MBから動作すると案内している。
OSについては基本的にWindows XP SP2以降が必要とされている。もちろんWindows Vistaならば問題はない。Windows 7については製品によって対応予定となっているものや、製品のパッケージには書かれていないが、最新のドライバーをダウンロードすれば利用できるものが多い。
また以前は64ビット版のOSに対応している製品は少なかったが、アイ・オー・データ機器、バッファロー、ピクセラの地デジチューナーメーカー主要3社では対応する製品が増えてきている。とはいえ、どの製品でも対応しているわけではないので、選ぶときは注意したい。なおMac OS Xの場合にはWindows用とは別にMac用の製品が用意されている。
HDDはソフトのインストールと録画に必要な容量が空いているかがポイントだ。数GB程度の空き容量があれば、とりあえずは製品を動かすことができる。
どちらかといえば問題はデジタル放送では録画したデータのサイズが大きい点。地デジだと1時間につき大体5-7GB程度だ。500GBの空きがあっても大体60-70時間程度とアナログ放送のときの感覚とは随分異なる。TBクラスのHDDもお手頃になっているので、デスクトップPCのユーザーであれば、あらかじめ導入しておきたい。
PCでデジタル放送を見る場合、ワンセグという選択肢もある。実際ワンセグ放送でも基本的に同じ番組をやっているため、内容を知りたいだけならば安価なワンセグチューナー製品でもいい。またワンセグならばネットブックやCULVノートでも問題なく動作するため、敷居も低いし、HDCPなどの制限も無いので古いPCでも見ることができる。
しかし、ワンセグと地デジの最大の違いはその画質とフレームレートだ。ワンセグは最大320×240ドット、フレームレートでは毎秒15フレームと解像度も小さければフレームレートは通常のテレビの半分だ。実際に見れば一目でわかるが、ワンセグでは映像の細かい部分が潰れてしまっており、動きもややぎこちない。
モバイル環境で楽しむならワンセグ、より映像を楽しみたいなら、地デジといったようにシーン別に使い分けるのがオススメだ。こうした用途に向いているのが、バッファロー「DT-F100/U2」やアイ・オー・データ機器「GV-MVP/HZ3」といった地デジとワンセグの両方に対応した製品だ。