

インテルチップセット編の最後は、サーバー向けおよび組み込み向けチップセットである。もっとも、このあたりの分類も実はちょっと怪しかったりするのだが、まずは大雑把な流れを紹介していきたい。
もともとインテルが長らくプロセッサーバスにShared Bus構造をとっていたのは、マルチプロセッサーの構成を簡単に作れるためだった。「Pentium」の時代からデュアルCPU構成は実際に利用されていたし、「Pentium Pro」では「Intel 450GX」と組み合わせることで4 CPUの構成が構築できた。これはその後「Pentium II/III」になってからも引き継がれ、実際「Intel 450NX」では、FSBが100MHz限定ながら4プロセッサー構成を取れるようになっていた。
ただし、この頃まではデスクトップ向けとサーバー向けがかなりごっちゃになっていたが、Pentium IIIの登場後、Intel 800シリーズチップセットの導入あたりから、インテルは明確にラインナップを分離した。
これに合わせて、CPUも2プロセッサー以上を可能とする「Xeon」と1プロセッサーのみのPentium III/4やCeleronが分離され、チップセットもそれぞれ専用のものが用意されることになった(当初は「Pentium II Xeon」「Pentium III Xeon」だったのが、Pentium 4の登場後に「Intel Xeon」に名称変更された)。
もっとも、「じゃあローエンドの1プロセッサーサーバーもXeonや専用チップセットが必要になるのか?」とか、「ワークステーションはデスクトップとサーバーのどっちになるんだ?」といった具合に、うまく割り切れないジャンルが出てくるのもこれまた必然。その結果、製品ラインがデスクトップとごちゃごちゃになるという展開になった。
まず2002年11月に、「E7501」と「E7505」、「E7205」の3製品がリリースされる。E7501/7505は、同時に発表された533MHz FSBのXeonに合わせてリリースされた2プロセッサー対応のチップセットで、E7205はSocket 478に対応した1プロセッサー対応のものである。
E7501はサーバー向けで、「P64H2」という「Hub-Link(HL) 2.0/PCI-Xブリッジチップ」を3個接続することで、66MHz/64bit PCI-Xならば最大12スロット、133MHz/64bit PCI-Xでも3スロットを同時に利用できるという強力なものだった。一方、E7505はP64H2を1個に絞り、代わりに「ICH4」対応としたワークステーション向けチップセットである。
E7205は「Canterwood」(関連記事)というコード名からわかるとおり、実は翌2003年4月に「Intel 875P」として発表されるデスクトップ向けチップセットの、前身にあたるエントリー向けチップセットだった。
E7205はその後、Intel 875Pを経て「E7210」というチップセットに進化するが、こちらの内実は「Intel 875P+6300ESB」(Enterprise South Bridge)という構成に近い。ようするに、ハイエンドデスクトップ向けチップセットとエントリサーバー向けチップセットはほぼ同一で、あとは接続するサウスブリッジやサポートする拡張バスの種類などで使い分けていたわけだ。
文●大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)