結論は「MP3でも全然泣ける」というキャッチフレーズ
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| 取材に使わせていただいた、自宅兼スタジオの様子。左がいつも使っているパソコンデスク |
―― 「一億年レコード」に至る流れもその辺から?
まつき インターネットという武器を手に入れて、前からやっていたスタイルにそれがフィットした結果「一億年レコード」が出来上がったんじゃないかと思っています。そもそも次の作品はCDで出したくないという気持ちがあったんです。でも、他にどうやっていいか分からん、というところにTwitterやUstreamがあって。
―― CDで出したくなかったのはなぜ?
まつき ほとんどiTunesで聴いていたので、好きな音楽をCDで買いたいと言う気持ちがなかったですね。
―― でも「一億年レコード」にはCDのようなアートワークも付いてますよね?
まつき 音楽がCDでもレコードでもMP3でも有効なように、アートワークも紙媒体だろうがPDFだろうがJPEGだろうが、感動するものはする、というコンセプトで作ったんです。「どう、これ壁紙にしたいだろ?」くらいの気持ちで。
―― アルバムもダブルアルバム構成で、物理メディアを意識してますよね。
まつき 持っていた価値観は全部棄てていないということです。それが「紙じゃないと出来ないことではない」とは大々的に言って行くけど、紙が素晴らしくないとも思ってないから、その良さを出したかったんです。
▲ 1億年レコードのプロモーションビデオはYouTubeに投稿されている
―― CDで出さなかったことへの反応はどうですか?
まつき もちろん批判もいっぱいもらいましたよ。ひとつは音質の問題なんですが、ぼくの最終的な結論が「MP3でも全然泣ける」というキャッチフレーズになったんです。CDかMP3かを気にして音楽を聴くのは面白くないから。それでパソコンを持ってない人が、わざわざパソコンを買ってから「一億年レコード」を買ってくれたりもしましたから。
―― それすごいですね。オリンピックを観たいから地デジ対応テレビを買うような。
まつき もうひとつは、モノとしての概念の問題ですね。モノとして手に入れるワクワク感が欲しいという人たちに、違う可能性をどう提示して行くか。
―― でも手に入れる儀式感はありましたよ。申し込んだけど、すぐにはメールの返信が来なくて、まつき君まだ寝てるのかなー? なんて想像したり。
まつき 「一億年」レコードのダウンロード開始直後は、アクセスが集中してなかなか落とせなかったんです。でも、それって人が(レコード屋に)たくさん並んでるってイメージじゃないですか。それも含めて良かったと思うんですよ、「一億年レコード」の思い出として残るから。インターネットが実は肉体的に使えるメディアだったなと。
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