2万4800円で買えるフルHDビデオカメラ「ADV-528HD」

文●川添貴生/インサイトイメージ

2010年02月01日 12時00分

 ビデオカメラ市場において、今年大いに注目したいのが3万円以下で気軽に購入できる価格帯の製品だ。日本ではこの価格帯の製品をほとんど見かけることはなかったが、ソニーや日本ビクターなどの大手メーカーが製品を投入しはじめたこともあり、昨年後半あたりから徐々に盛り上がり始めてきた。

 この低価格ビデオカメラ市場に早々に進出し、次々と製品をリリースしているのがエグゼモードである。その同社から昨年12月にリリースされたのが、ヤシカブランドを冠した「ADV-528HD」だ。直販価格は2万4800円でありながら、1920×1080ドットのフルHD録画に対応し、光学5倍ズームレンズ搭載とタッチパネルによる操作が可能な液晶ディスプレーなど、低価格機とは思えない装備を持つ1台に仕上がっている。

 ただ低価格機といっても、エグゼモードのラインアップで見るとADV-528HDはミドルレンジに位置し、数千円~1万円台という製品も多い。低価格機はフルHD記録に対応していなかったり、レンズが単焦点だったりするわけだが、ADV-528HDは「普通の」ビデオカメラとして使っても不満のないスペックを実現している。早速詳しく見ていこう。


見た目は普通のビデオカメラ

 まず撮像素子として使われているのは1/2.5型 551万画素のCMOSセンサーで、これに光学5倍ズームレンズを組み合わせている。焦点距離は35mmフィルム換算で38-190mm相当で、ビデオカメラとしては標準的な数値。撮影した動画を保存する媒体はSDメモリーカードで(2GBのSDメモリーカードが付属!)、当然SDHCにも対応している。

 外観はいわゆる横型のビデオカメラで、右手の手のひらで本体を下から支えつつ撮影するスタイルになる。背面にモードダイヤルや録画ボタン、上部にズームレバーと静止画撮影用のボタンがある点なども一般的なビデオカメラと同様で違和感なく使い始められる。

 本体側面の開閉式の液晶ディスプレーは、前述のとおりタッチパネル操作に対応したもの。サイズは3型と大きく、タッチパネルによるオペレーションでもそれほど窮屈さは感じない。視野角も十分広く、通常利用ではまず困ることはないだろう。なお液晶ディスプレーは上方向に180度、下方向に90度回転するので、タッチパネル面を露出した状態で閉じることもできる。

 液晶ディスプレーを開くと、底面にあるスロットを開いてバッテリーとSDメモリーカードスロットにアクセスできる。バッテリーによる撮影時間は、カタログ上では約2時間40分の動画撮影が可能としている。

 また、本体背面にはUSB端子やアナログ映像/音声出力端子、ミニHDMI端子が用意されている。マスストレージクラスに対応し、PCとUSBケーブルで接続すれば、本体に接続しているSDメモリーカードの内容をエクスプローラで表示できる。

 パッケージにはミニHDMI-HDMIケーブルが含まれており、別途ケーブルを購入することなく大画面テレビに映像を表示できるのは親切だ。

動画の保存形式はQuickTime形式

 撮影時の機能としては、逆光補正や露出補正、夜景モード、動体検知などがある。おもしろいのは動体検知で、これは映像内の物体が3秒以上動いている場合に自動的に撮影を開始するという機能。ペットの撮影などで使えそうだ。

 撮影した動画は、H.264形式で圧縮される。ただフォーマットは現在多くのデジタルビデオカメラで採用している「AVCHD」ではなく、QuickTimeファイル(拡張子:.mov)として保存される。PC上で再生するには別途QuickTime Playerが必要となる。

 静止画撮影は専用のモードが用意されているほか、動画撮影中でも静止画を記録することが可能(ただし、解像度は動画の解像度と同一となる)。静止画モードでのオプションとしては、動画と同様に解像度やホワイトバランス、測光方式などが用意されている。なお、音声だけを録音するモードもあり、ボイスレコーダー代わりにも使える。


撮影した動画を即座にインターネットで公開できる
「ServersMan mini」

 ユニークなのは、添付のSDメモリーカード内にフリービットの「ServersMan mini」と呼ばれるアプリケーションが添付されていること。これはデジタルカメラ/ビデオカメラで撮影した動画や静止画を、インターネット経由で簡単に公開できるというアプリケーションだ。

 使い方は、ServersMan miniが入ったSDメモリーカードを挿した状態のADV-528HDをPCに接続し、PCからSDメモリーカード内のServersMan miniを実行する。最初に表示されるウィザードに従ってアカウントを取得し、設定画面で公開するように指定すると、ServersMan miniが実行されているPCがウェブサーバになる。

 外部からの接続には中継サーバを経由する。設定時に表示されるURLが中継サーバのものとなっており、ウェブブラウザーを使ってそのURLにアクセスするとServersMan miniを実行しているPCにリダイレクトされるというわけだ。

 外部公開時のウェブページは「すべてのファイルを一覧形式で表示」「画像だけを公開」「動画だけを公開」の3種類から選択できる。動画だけを公開にすると、プレーヤーが埋め込まれたページがウェブブラウザー上に表示され、ダイレクトに再生可能となる。

 インターフェイスはごくシンプルで、使い勝手はよい。ただ、マニュアルに使い方についての説明がなく、同サービスのウェブサイト上のマニュアルを参照しなければならないのは不親切だろう。せっかく便利なアプリケーションなので、紙のマニュアルでもしっかり説明してほしかった。

機能面での物足りなさはあるも、価格を考えれば十分納得できる1台

 実際に撮影した動画(ここから撮影した動画ファイルをダウンロードできます)を見てみると、まずまずの解像感があり色再現にも不自然な点はない。ただ、ビットレートが6Mbps程度と低めで、細かなディテールはつぶれ気味だ。このあたりは、高いビットレート(17~24Mbps)での記録が可能なミドルレンジクラス以上の製品との差だと言えるだろう。

 昨今の一般的なデジタルビデオカメラと比較したとき、ADV-528HDに搭載されていない機能としては手ブレ補正や顔認識機能などが挙げられる。いずれもあると便利な機能であり、特に手持ち撮影時では手ブレ補正機能があるかないかで映像のクオリティが大きく変わってくる。そのあたりが購入の分かれ道となりそうだ。

 3万円以下の価格帯を狙ったフルHDビデオカメラの市場は、今後は競争が激化するのは間違いなさそうだ。その中でエグゼモードがどういった独自性を打ち出すのか、これから大いに注目していきたい。


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