このページの本文へ

“穴場な検索キーワード”は当たり前のサービスだった (2/3)

2010年01月28日 15時53分更新

文●三浦たまみ

  • この記事をはてなブックマークに追加
本文印刷

自店の強みを徹底的に洗い出し、検索ワードに反映

 『Four seasons』のウリは、1ペア400円、3ペア1000円のハンドメイドのピアス。だからといって、「400円 ピアス」「1000円 ピアス」というキーワードを入札するのはナンセンス。「安くてかわいいピアス」を探す人は「おしゃれ 安い ピアス」などとキーワードを入れる可能性はあっても、「400円」「1000円」などと具体的数字を入れて検索する可能性は限りなく低いからです。

 一方、ビッグワードである「ピアス」という1語だけではヘソピアスや鼻ピアスなど、片岡さんのお店では販売していない商品も含まれてしまいます。広義なキーワードでは広告効果が期待できませんし、上位に表示させるのも困難です。

 「ハンドメイド」「ビーズ」「安い」「シンプル」「30代」「主婦」……。片岡さんは、自店の特徴を改めて見つめ直し、1語、あるいは2語以上で入札するなど、さまざまなキーワードを洗い出しては入札して試す中で、意外なキーワードでクリック率が高まることを突き止めました。

「アレルギー対応のピアスを扱っていることをキーワードに盛り込んだところ、反応がよかったんですよね。うちは開業当初から、アレルギーの人向けにピアスのフックをチタンや樹脂製のパーツに交換できるサービスを用意していますが、価格の安いピアスを扱うお店で同様のサービスを提供するところは少ない。まさに “穴場”のキーワードでした」

 次の表は、同店のパーツ交換をお知らせするページです。チタンや樹脂に素材を変更する以外に、ピアスからイヤリングに変更するサービスもあります。


 「アレルギー反応はあるけど、ピアスはつけたい」と思うお客さんは確実にいますが、ピアスを身につける全体数から見れば少数派。その少数派のためにわざわざコストをかけてチタンや樹脂のフックを仕入れようとは思わないお店が多い中、片岡さんのお店では当然のように交換サービスを提供していました。まさに片岡さんのショップならではのきめ細やかなサービスとそのアピールが新規顧客開拓に結びついたといえます。

「部品交換サービスは、もともとはオークションなどに出品して売ったときに、アレルギーの方からご相談を受けることがあって始めたものなんです。アレルギー反応があるというだけでピアスを楽しめないのはかわいそう。その思いから始めたので、私にとっては“当たり前”のサービスでしたが、お客様の中には『やっと買えるピアスが見つかった!』と本当に喜んでくださる方もいます。おかげで、アレルギー関連用語で当店に訪れたお客様のリピート率はとても高いんです」

 当然、リピートしてくれたお客さんを逃さず、客単価をアップさせていく工夫も必要です。そこで片岡さんはさまざまな試みをしてきました。次回は客単価をアップさせた片岡さんの施策を紹介します。

検索連動型広告とは

検索サイトに入力したキーワードに応じて広告を表示するサービス。代表的なサービスに、ヤフーの「スポンサードサーチ」と、グーグルの「Google Adwords」がある。どのようなキーワードに対して広告を表示させるかは、広告主側が自由に選んで申し込むことができるが、各キーワードの表示価格は通常入札で決定され、人気のある(検索されやすい)キーワードは高額になることが多い。入札時の最低価格は業者や広告内容によって異なり、スポンサードサーチやAdwordsではキーワードと広告の関連性や内容によって変わる変動型を採用している。

この連載の記事

一覧へ

この記事の編集者は以下の記事をオススメしています