カセットの音楽を手軽にデジタル化! 「THOMSON CE-26」

文●川添貴生/インサイトイメージ

2010年01月18日 12時00分

カセットデッキ内蔵の激安デバイスを試す!

 家電量販店のオーディオ売り場において、ラジカセ/CDラジカセといった製品の展示スペースが縮小し続けている。ラジカセと同様のスタイルを持つ製品であっても、カセットの代わりにSDメモリーカードスロットを搭載した製品であったり、あるいはCDとラジオしかないといった製品が多く、純粋なラジカセやCDラジカセは貴重になりつつある。

 さらにカセットデッキは、家電量販店の中だけでなく、家庭内においても貴重になりつつある。オーディオ機器を買い換えているうちに、いつの間にかカセットテープを再生できる環境がなくなっているというわけだ。

 ただ再生環境こそないものの、テープだけは保管しているという人は多いのではないだろうか。特に廃盤になったLPやCD、あるいはラジオ番組を録音したテープはなかなか捨てづらい。

 こうしたユーザーをターゲットとして、カセットテープの内容をパソコンやSDメモリーカードに取り込む製品がいくつか販売されている。これらを使ってデジタル化しておけばパソコンや携帯型オーディオプレーヤーで聴いたり、あるいはオリジナルCDとして保存できる。デジタル化しておけば、繰り返し再生によってテープが摩耗したり、伸びて切れたりする不安が解消されることもメリットだろう。

 エグゼモードから発売された「THOMSON CE-26」(実売価格は8000円前後)も、カセットテープの内容をSDメモリーカードやUSBメモリーに記録できるという製品だ。エグゼモードというと低価格なデジタルカメラやデジタルビデオカメラで知られているが、オーディオ関連機器も精力的にリリースしている。

 同社は昨年、フランスに本社を置くトムソンの日本でのブランド使用権を取得しており、その第一弾製品の1つとしてリリースされたのがTHOMSON CE-26というわけだ。

極々シンプルな機構のカセットデッキ

 CE-26はカセットデッキとUSBポート、SDメモリーカードスロットがあり、本体両側面のスピーカーを使ってそれぞれのメディアを再生できるほか、前述のとおりカセットの内容をSDメモリーカードとUSBメモリーのいずれかに録音できる。録音形式はMP3で、ビットレートは128kbps固定だ。

 そのほかのインターフェイスとしては、外部入力端子と音声出力端子、ヘッドフォン端子が用意されている。なお外部入力端子を使って入力した音声も、カセットテープと同様にSDメモリーカードやUSBメモリーにMP3形式で録音できる。

 本体前面には操作用インターフェイスが並ぶほか、電源スイッチを兼ねるボリュームダイヤルを備える。また製品にはリモコンが添付されており、SDメモリーカードやUSBメモリーに保存された曲の再生や曲送り/戻し、録音などが可能。ただし電源のオン/オフや音量調整はできない。

 カセットテープの操作は、停止と早送り、そして再生の3つの操作をデッキの横にあるボタン1つで行なう仕組みとなっている。具体的には、カセットデッキにテープを挿入すると自動的に再生が始まり、ボタンが最大限に飛び出す。この状態から、ボタンを半分ほど押し込むと早送り、すべて押し込めば停止(イジェクト)というわけだ。

 CE-26のカセットデッキに巻戻しという概念はなく、どうしても巻戻したい場合は1度カセットテープを裏返してセットした上で早送りし、その上で再度裏返してセットする必要がある。つまり、早送りと巻戻しを繰り返して頭出しをするといった作業は事実上難しい。

 このため、テープの片面、あるいは1本丸ごとMP3に変換したい場合はこれでもさほど問題はないが、テープの一部分だけを取り込みたいといった場合には、大ざっぱに頭出しした上で、PC上でMP3編集ソフトを使って切り出した方が手っ取り早いだろう。

テープのノイズは雰囲気ということで……

 実際にカセットテープの内容をUSBメモリーやSDメモリーカードに録音するには、まず本体のモード切替スイッチを「テープ」の位置に合わせ、USBメモリー/SDメモリーカードを本体にセットする。その上でテープをカセットデッキに装填し、再生が始まったところで録音ボタンを押すという流れになる。

 録音するとUSBメモリー/SDメモリーカード内に「AUDIO」フォルダが作成されて、その中にMP3ファイルが保存される。録音中にリモコンの「TS」(Track Separation)ボタンを押せば、MP3ファイルを分割保存することもできる。

 録音したファイルの音質は当然テープの内容や状態に左右されるが、実際に試したところ特に不自然なところもなく記録されている。ノイズなどもそのまま記録されてしまうが、テープの雰囲気が再現されていると思えばさほど気にならない。音質を求めるのであれば、専用ソフトなどを使ってパソコン上で修正することも可能だ。


パソコンとの連係が不要で気軽に使えるのがメリット

 CE-26では、USBメモリーやSDメモリーカード内のMP3やWMA形式の音楽ファイルを再生することも可能だ。本体両側面にはスピーカーを内蔵しているため、単体でプレーヤーとして使うこともできる。

 実際に再生してみると、想像していたよりもしっかりした音が出力されるのには驚いた。確かに低音の迫力や高音の伸びには欠けるが、USBメモリーやSDメモリーカードにお気に入りの音楽を保存しておき、気軽に再生するデバイスとしては意外と便利ではないだろうか。

 難点を挙げるとすると、やはり巻戻しができないことがまず挙げられる。またテープの再生が終わっても録音し続けるため、手動で録音を止めなければならないのも面倒だ。このあたりは割り切って使う必要がある。

 パソコンと連係してカセットテープの内容をデジタル化する製品がいくつか出ているが、それらと比べたときのメリットは単体で利用できるということ。

 PCを操作することなく、気軽にSDメモリーカード/USBメモリーに録音できる手軽さはうれしい。

 手元に多くのテープがあり、それをデジタル化したいと考えているのであれば、CE-26は決して高い買い物ではないだろう。捨てられないカセットテープを何とか整理したいと考えているのであれば検討してほしい。


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