基本は「Apple Hardware Test」
MacBookシリーズを含むほとんどのIntel Macでは、「Apple Hardware Test」が用意されている。メモリーの増設後に動作が不安定になったと感じた場合は、このユーティリティーを利用しよう。メモリーに限らず、ロジックボードやVRAMといったMacBook Proのハードウェアを一通りテストできるため、不具合らしい不具合がなくても購入後には一度試すことをお勧めする。
使い方は、Mac本体に付属するDVDをセットして、電源オン直後に「D」キーを押すというのが一般的だが、実はファームウェアに含まれているのでDVD-ROMは必要ない。対応機種では電源オン直後に「F2」を押し続ければ、旧Mac OS風のインターフェイスを持つプログラムが起動する。
なお、初期設定の簡易テストは数分以内で済むものの、「全テストを実行します」オプションを有効にしたときは時間がかかる。メモリーの容量にもよるが、2GBを搭載したMacBook Proの場合、終了まで約30分を要した。必ず電源ケーブルに接続して実行しよう。
それでも心配なあなたに
Apple Hardware Testは製造元純正のツールであり、その点において信頼性は最高水準といえる。しかし、テストをしている間は「メモリーをテスト中」などと簡単すぎるメッセージが表示されるばかりで、テスト内容はほぼブラックボックス状態だ。
そこで利用を検討したいのが、オープンソースのメモリー検査ツール「Memtest86」。ウェブサイトからダウンロードしたISOイメージをCD-R/RWに焼き、そこからシステムを起動(電源オン直後に「C」キーを押下)すれば準備完了。「Select Version:」とメッセージが現れたらEnterキーを押し、あとは放置するだけでテストを実行してくれる。
電源ボタンを押して強制終了しないかぎり延々とテストされるので、中央右端にある「Pass:」の回数が(せめて)10以上になるまで繰り返し、それでも下の「Errors:」がゼロのままなら問題なしと考えていい。
なお、2GB RAM搭載のMacBook Proの場合、テストは1回あたり20分程度を要した。10回繰り返すとして約3時間半、メモリー容量に応じて時間はさらに延びるため、時間に余裕のあるときに試そう。
※次回は1月19日(火)掲載予定です
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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