このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

最新パーツ性能チェック 第88回

GPU内蔵CPU「Intel Core i5-661」の実力を見る

2010年01月11日 15時30分更新

文● Jo_Kubota

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Intel G45 Expressに搭載されるGPUと、ほぼ同等なGPUを内蔵するCPU「Clarkdale」(クラークデール)がついに登場した。Clarkdaleはデスクトップ向けのCPUであり、今回発表されたのは「Core i5-670/661/660/650」「Core i3-540/530」、そしてPentiumブランドとなる「Pentium G6950」の以上、7モデルとなる。

インテルの新CPU「Core i5-661」。コードネームはClarkdale

 対応するCPUソケットは、LGA1156で、すでに販売されている「Core i5-750」と同じ。サポートされるチップセットは新たに登場した「Intel H55 Express」のほか、「Intel H57 Express」「Intel Q57 Express」も順次登場する予定となっている。また従来よりLGA1156をサポートする「Intel P55 Express」も対応しているが、ディスプレイ出力(FDI)をサポートしないため、Core i5-660などを搭載しても内蔵GPUを利用することはできない。P55搭載マザーボードで利用する際には、事前にメーカーのサイトで動作確認リストに入っていることを確認しておこう。大抵の場合はBIOSのアップデートで対応できると思われる。

H55 Expressチップセットを搭載したインテル純正マザーボード「DH55TC」

GPUコアを内蔵したCPU

 今回発表されたCore i5 600シリーズ、Core i3-500シリーズ、Pentium Gシリーズに共通するのは、32nmプロセスルールで製造される物理2コアのCPU、45nmプロセスルールで製造されるGPUコアを内蔵している点だ。GPU内蔵と言っても、CPUダイに内蔵されるわけでなく、CPUパッケージ上にCPUとGPU、両方のダイを別個に搭載するMCM(Multi Chip Module)方式で実現されている。このため内蔵というより“統合”されたCPUと表現するのが、より正しいかもしれない。この内蔵するGPUは基本的にはIntel G45 Expressに内蔵されるものと変わらない。スペック的な部分はアップデートされ上位版といった位置づけになるが、それでもパフォーマンスを劇的に改善するようなアップデートはされておらず、とりあえず載せました的な感がある。このGPUはDirectX 10をサポートするが、10.1および11ではないため、Windows 7固有のGPUによるアクセラレーション効果は得られない点も、いまいちインパクトに欠ける要因となっている。

CPUとチップセットの関係を表したブロック図

 Core i5-600シリーズは、Hyper-Threadingをサポートしているため、物理2コア/論理4CPUとして機能し、Intel Turbo Boost Technologyに対応しているためTDPの範囲内で規定クロックよりも1ランク高いクロックで動作する。Core i3やPentium Gはこれらに非対応となっており、物理2コア/論理2CPUにて、動作クロックそのままで駆動するCPUだ。
 CPUコアは32nmプロセスルールで作られているため、TDPが高クロックにも関わらず低く抑えられているのも特徴的だ。これまで低いと言われたCore i5-750が95Wに対して、Core i5-670/3.46GHzは73Wと22Wも低い。Core i5-600シリーズで唯一末尾に「1」が付く、Core i5-661は内蔵されるGPUクロックが900MHz(他は733MHz)と高く、そのためTDPも87Wと14Wほど高くなっている。メモリは、LGA1156のCore iシリーズと同様にDDR3-1333/1066をサポートし最大16GBまで搭載可能。もちろんデュアルチャネルアクセスだ。
 詳しいスペックは下記のとおりだ。

CPUスペック表
  Core i5 Core i3 Pentium
750 670 661 660 650 540 530 G6950
開発コード Lynnfield Clarkdale
プロセスルール 45nm 32nm
コア数 4 2 2 2 2 2 2 2
Hyper-Threading - - - -
論理CPU数 4
CPUクロック 2.66GHz 3.46GHz 3.33GHz 3.33GHz 3.20GHz 3.06GHz 2.93GHz 2.80GHz
Turbo Boost時 3.20GHz 3.73GHz 3.60GHz 3.60GHz 3.46GHz - - -
CPUソケット LGA1156
L2キャッシュ 256KB×4 256KB×2
L3キャッシュ 8MB 4MB 3MB
GPU内蔵 -
GPUクロック - 733MHz 900MHz 733MHz 733MHz 733MHz 733MHz 533MHz
TDP 95W 73W 87W 73W 73W 73W 73W 73W

Core i5-661のCPU-Z。最低クロックは、Core i5-750と同じ1.2GHzとなる

Core i5-661のGPU-Zの結果

(次ページへ続く)

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中