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2010 International CESレポート Vol.3

ソニーの新ネット端末「dash」の元はあのガジェット

2010年01月10日 00時11分更新

文● 西田 宗千佳

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 ソニーはCESに合わせて開催した1月6日の記者会見で、同社がアメリカ市場に問う「新ネット端末」として、「dash」という製品を発表した。

ソニーの新ネット端末「dash」

ソニーの新ネット端末「dash」。7型液晶ディスプレーを使ったフォトフレームのように見えるが、機能はかなりリッチなもの

 シンプルな四角いデザインに見やすい液晶ディスプレーを備え、通信は無線LAN。アンチエイリアスの効いた、非常に美しい表示が特徴だ。

 ネット端末とはいうものの、ウェブブラウジングするのがメインではなく、登録されたアプリケーションやネット情報の一部を、「ウィジェット」として表示していくのが基本的な使い方となっている。通信手段は内蔵の無線LAN。AC電源が必要で、バッテリー動作ではない。

操作は基本的にタッチパネル。見たいウィジェットを配置しておくほか、動画や音楽、写真の再生もできる。またテーマを使い、表示をよりリッチなものに変えることも可能

 タッチパネルでウィジェットの操作や切り換えができるほか、本体上部には別途、メニュー呼び出しや音量調整のボタンがある。本体のデザイン的にも、「フォトフレームのような目覚まし時計」のような印象を受ける。

本体上部の操作ボタン

本体上部の操作ボタン。イメージとしては「目覚ましのボタン」だ。スヌーズ操作のほか、メニュー呼び出しなどにも使う

 ここまでの説明で「ピン」ときた方は、相当にこの種のデジタルガジェットに詳しい方だろう。実はこの製品、「Chumby」が元になっているのだ。Chumbyとは、米Chumby Industry社が開発したウィジェット・ベースのネット端末。特徴は、OSとなる「Chumby OS」がLiunuxベースで作られた「オープンソース」ということと、ウィジェットの開発環境が公開されており、ユーザーの自作ウィジェットが数多く存在する、ということだ。

 2009年のCES基調講演で、ソニーCEOのハワード・ストリンガー氏は、Chumbyの技術をベースにした「次世代クロックラジオ」の開発を公表していた。dashはその成果の第1弾なのだ。

 とはいえ、dashはChumbyそのものではない。ウィジェットはそのまま動作しているようだったが、UIや操作感覚などは、かなり改良が加えられている印象を受けた。またディスプレーなどの品質は、さすがに「いかにもソニー製品らしい」良さを持っている。

 会場の説明員の話では、「Chumby OSがベースだが、ハードとの連携部分やUIの開発などでは、Chumbyと協力してソニーが新たに開発した部分も多い。『BRAVIA Internet Video』(ソニーのテレビ向け動画配信サービス)や音楽配信へのアクセス機能も搭載した。絵と音をベッドサイドなどで楽しむために使ってほしい」とのこと。

 出荷は4月の予定で、価格は199ドル(約1万8408円)と意外に安い。日本語対応については情報をもらえなかったが、Chumby向けのウィジェットで「日本語対応」のものが動作していたので、少なくとも表示は可能と思われる。日本での出荷予定は未定だという。

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