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日本エイサーAspire 5542-M23──AMD VISION対応ノート

2010年01月15日 11時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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外観を見て、にわかに信じがたい気分に

 さて、性能や使い勝手などAspire AS5542-M23の解説に入る前に、筆者の元に実機が届き、最初に手にしたときの感想を簡単にまとめておこう。

 Aspire 5542-M23は、15.6インチの液晶ディスプレーを備えたAVノートだ。天板は光沢感のある深いブルーで、見る角度によって微妙に色合いが変化する。落ち着いた美しい色である。

天板はメタリック調の濃紺。深い青の階調感にはなかなかの高級感がある

 開くと、大型のディスプレーとテンキーまでも備えた、広くゆとりのあるキーボードが現れる。個々のキートップが若干離れた形状で、ストロークは深い。キートップのぐらつきも少なく、上々のタッチだ。デザインもなかなかに高級感がある。液晶ディスプレーには、LEDバックライトが採用されており、発色も優れている。

15.6型タイプということもあり、キーボードにもゆとりがある。テンキーも装備しており、AVだけでなくビジネスや文書作成に使いたいというニーズにもこたえてくれそうだ。テンキーはExcelなどの数字入力に便利なほか、半角/全角の数字を使い分けて入力したい場合などにも便利

 早速ライブDVDを再生して見る。音質はクリアーで、大きめの本体よりもさらに大きく音場が広がる。内蔵スピーカーのためやや腰高な音だが、まとまりがとてもよく、極端な大音量にしなければ、違和感なく聞ける。キーボードの左上にDOLBY HOME THEATERのロゴが見えるが、音の良さにも相当にこだわった製品のようだ。

キーボードの左奥には電源ボタンに加え、3つのボタンが用意されている。Bluetoothのオン・オフやバックアップなどがワンプッシュで利用可能だ。その奥には「DOLBY HOME THEATERのロゴ」が見える

 最新のAVノートのトレンドからするとBlu-ray Discではなく、DVDスーパーマルチドライブである点が若干気になったが、操作感や全体的な質感を見た印象では、10万円台半ばぐらいの値付けなんだろうなと思った。最近の市場動向では、高付加価値な部類に入るが、この完成度ならそのぐらいはするだろうと思ったのだ。

 しかし、実際の値段はいい意味で期待を裏切るものだった。実売価格6万円台。ずいぶんと攻撃的な値付けだ。ネットブックやCULVノートの登場によって低価格のノートパソコンの登場には驚かなくなったが、AVノートのコストパフォーマンスも大きく向上していることを実感した。


Tigrisプラットフォームを採用し、上質なDVD再生を

 Aspire 5542-M23は、CPUにAMDのAthlon™ II M300(2GHz)を採用している。チップセットはATI Radeon HD4200を内蔵したAMD M880Gで、冒頭に述べたAMDの分類では、最もベーシックなAMD VISIONに準拠したプラットフォームとなる。

 ベーシックとは言っても、Athlon™ II M300は2GHzのデュアルコアプロセッサーなので、十分に余裕がある性能だ。二次キャッシュは1MB(512KB×2)で、Windows 7のXPモードを使うのに必要な仮想化機能も搭載している(対応するWindows 7のエディションの導入が必要)。

Windows 7使用時の快適さを示すエクスペリエンス・インデックスの数値は3.5。グラフィックを多用するソフトウェアを使う場合は3以上のスコアが推奨されているので、十分な性能と言える。さらに詳しく見ていくとほとんどの数字が5を超えていることが分かる

 メモリーは2GBと標準的だが、空きスロットが1つあり最大4GBまで積める。OSも64bit版のWindows 7 Home Premiumなので、32bit版のように3GBまでしかメモリーを認識しないといった問題はない。4GBを無駄なくすべて使うことができる。

 液晶ディスプレーの解像度は1366×768ドットと16:9のアスペクト比。DVDなどの再生時に上下に黒枠が生じない。320GBのHDDを搭載するほか、IEEE 802.11b/g/nやBluetooth、Gigabit Ethernetなども装備する。

本体にはHDMI端子も装備している。薄型テレビを接続してデュアルディスプレー構成にすることも可能。なお、HDMI接続時は本体から音声が出なくなるので、外部モニターなどを接続する際は注意

 仕様の面では、アナログRGBに加え、HDMI端子も備えている点に注目。ビデオメモリーを896MBまで割り当てられることもあり、外部ディスプレー接続時の最大解像度は2048×1536ドットということだ。フルHDの薄型テレビを接続しても問題ない。AVマシンとして考えた場合HDMI端子搭載は重要だと思う。DVDやネットのハイビジョン動画を大画面のテレビで見るという用途は容易に想像がつくが、AVアンプなどを間に入れて、高音質な音響再生が可能になるからだ。

DOLBY HOME THEATERの設定は「スピーカーのプロパティ」から変更できる。Audio Enhancerは低域の周波数特性を調整して1オクターブ低い音も明確に出す機能。Surround Soundは、音の広がり感が格段に上がる。内蔵スピーカーでオンダミーオフを切り替えるとその効果に驚く、常時オンがお勧め。ヘッドホンによっては、Audio Enhancerをオンにすると若干ブーミーに感じる場合があるので、適時調整したい

 本機は内蔵スピーカーの実力も高いが、高音質なヘッドホンと組み合わせた仮想サラウンド(ドルビーヘッドホン)、ドルビーデジタルのマルチチャンネル再生など、徐々にステップアップしていけるのはいい。パソコンの場合、高負荷をかけるとファンの音が気になったりするものだが、ヘッドホンで聞く、HDMI接続で鑑賞ポイントから本体を離すなど工夫もできる。ヘッドホン再生も非常にナチュラルで好感触。音の良さを随所で感じさせた。

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