Radeon HD 4890のオーバークロック
最後に、Radeon HD 4890のオーバークロックを試してみた。こちらも、AMDのリファレンスボードを利用した。今回利用したリファレンスボードのコアクロックは900MHz、メモリクロックは975MHz(GDDR5なので3.9GHz相当)であったが、定格はコアクロック850MHz、メモリクロックは975MHzなので、コアクロックのみオーバークロックされていることになる。
Radeon HD 4890搭載ビデオカードのオーバークロック結果は、下の表のようになった。まず、コアクロックのみを10%上げた状態とメモリクロックのみを10%上げた状態のそれぞれについて、3DMark VantageのPerfomanceモードとラストレムナントベンチマークの1280×720ドット時のスコアを計測したが、コアクロックを10%上げると、3DMark Vantageは途中でエラーが出て計測できず、ラストレムナントは途中でハングアップしてしまった。もともと、コアクロックが定格よりも50MHz高いオーバークロック仕様になっていたため、コアクロックのマージンはかなり小さいようだ。
そこで、コアクロックはあまり上げずに、メモリクロックを中心に上げていったところ、コアクロック955MHz、メモリクロック1110MHzで3DMark Vantageとラストレムナントが完走した。
自動オーバークロック機能を実行したところ、コアクロック985MHz、メモリクロック1085MHzに設定された。コアクロックは定格+9%、メモリクロックは定格+11%だが、コアクロックは手動で試した限界の955MHzを大きく超えており、この状態では、3DMark Vantage、ラストレムナントとも、途中でハングアップしてしまった。Radeon HD 5750の場合と同じく、ATI Overdriveの自動オーバークロック機能は、かなりアグレッシブな設定になるので(特にコアクロックが高くなる)、高い負荷がかかるとハングアップしてしまうようだ。
最後に
全5回にわたってオーバークロックの方法について解説してきたが、いかがだろうか。オーバークロックを楽しめるのは自作PCならではの醍醐味だ。どのような設定が最適なのかを考えだすとキリがないが、お金をかけずに性能アップが期待できるので、年末年始にPCを1台組んでぜひチャレンジしてもらいたい。もちろんオーバークロックは自己責任となりメーカー保証の対象外となるので、無茶な設定で動かすとパーツを破壊する恐れもあるのでその辺にはくれぐれも注意してもらいたい。
この連載の記事
-
第4回
PCパーツ
メモリモジュールオーバークロック指南 -
第3回
PCパーツ
Phenom IIオーバークロックことはじめ -
第2回
PCパーツ
1から知る、Core i5/i7のオーバークロック -
第1回
PCパーツ
オーバークロックの基礎知識 -
第-1回
PCパーツ
Windows 7で行なうオーバークロック - この連載の一覧へ