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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第98回

ウェブの「床屋政談」が民主主義を変える

2009年12月23日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

硬派サイトは意外にアクセスを集める

 「アゴラ」という複数アカウントによるオピニオンサイトを立ち上げて、ほぼ1年がたった。最初は数人の知人と一緒に始めて試行錯誤してきたが、最近では1日3~5万ページビュー(PV)、ユーザー数も毎日1万を超えるようになった。経済学やIT政策など、むずかしい話題ばかりで月間100万PV近いのは驚異的だ、と業界関係者に言われた。

 こういう硬派のウェブサイトは、アメリカには珍しくない。Technoratiのトップ100ウェブサイトのランキングを見ると、第1位のHuffington Postをはじめ、Daily Beast、National Reviewなど、ベスト100のうち実に40が政治サイトで、技術サイトやゴシップサイトより多い。もちろんアクセスだけを見ると、娯楽系のサイトのほうが多いのだが、人々の関心を示すリンクの数では硬派が多い。これはマスメディアと違う、ウェブの特色といえよう。

TechnoratiTechnoratiのランキングより。日本と同様にガジェット系ブログメディアの人気も高いが、一方で政治系のニュースサイトも多数ランキングに入っている

 これに対して日本では、TopHatenarのランキングでみる限り、政治サイトというのはほとんど見られない。これは両国の政治の性格の違いによるところが大きいと思われる。アメリカの政治はよくも悪くも「劇場型」で、大統領や議員の言葉が政治を大きく動かし、それに対する有権者の発言に大統領がTwitterで答えるなど、ウェブが政治的な論争の道具として活用されている。

 一方日本の自民党政権では、政治は議員と官僚と利益団体が裏で決め、「政局」の力関係で動くものという印象が強いので、一般の国民が政策を語ってもしょうがないという無力感があった。ところが政権交代によって、こうした力関係が崩壊し、よくも悪くも裏取引がきかなくなり、政治が世論に敏感に反応するようになった。

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