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Google Analyticsの「ユーザー」レポート (5/5)

2009年12月22日 11時00分更新

文●中野克平/デジタルコンテンツ部編成課

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利用ネットワーク

「ユーザー」→「利用ネットワーク」

「ユーザー」→「ネットワーク環境」→「利用ネットワーク」

 「利用ネットワーク」レポートでは、Webサイト全体のセッション数、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、新規セッション率、直帰率を利用ネットワーク別に確認できます。

 利用ネットワークでもっとも多いのは、おそらく「japan network information center」(JPNIC:日本ネットワークインフォメーションセンター)、ついで「ntt communications corporation」(NTTコミュニケーションズ)のはずです。これらは特定の企業ネットワークではなく、プロバイダやOCNなどを表しているだけですので、利用ネットワーク別に指標を確認することの意味はあまりありません。ただし、大企業の中にはIPアドレスを自前で確保している場合があり、ユーザーの勤務先を推定できることもあります。


ホスト名

「ユーザー」→「ホスト名」

「ユーザー」→「ネットワーク環境」→「ホスト名」

 「ホスト名」レポートでは、Webサイト全体のセッション数、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、新規セッション率、直帰率をホスト名別に確認できます。

 ホスト名とは、WebサーバーにHTTPで要求を送信するとき、相手先のWebサーバーを特定するためのヘッダー情報です。通常は本番サイトのサイト名そのものが使われますが、チェックサーバー(試験サーバー)のコンテンツに本番サイトと同じGoogle AnalyticsのアカウントIDが使われていると、チェックサーバーのホスト名が表示されます。また、海外のユーザーが翻訳サービスを使ってページを閲覧したり、検索エンジンのキャッシュに残っているページを閲覧したりすると、本番サイトとは異なるホスト名が表示されます。

 なお、俗に「魚拓」と呼ばれるWebページのアーカイブサービスにコンテンツが複製されると、自社以外のIPアドレスがホスト名に表示されます。こうした自社以外のサーバーへのアクセスを集計から除外したい場合は、Google Analyticsのフィルタ機能を使って、本番サイト以外のホスト名を無視するように設定するとよいでしょう。


接続速度

「ユーザー」→「接続速度」

「ユーザー」→「ネットワーク環境」→「接続速度」

 「接続速度」レポートでは、Webサイト全体のセッション数、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、新規セッション率、直帰率を接続速度別に確認できます。ただし、Google Analyticsは、ユーザーの接続速度を実測しているわけではありません。公式な説明はありませんが、IPアドレスを逆引きし、「192-0-2-128.dsl.isp.ne.jp」のようなDNS名から接続速度を推定しているのでは、と言われています。したがって、「接続速度」レポートの信頼性はあまり高くなく、「Unknown」(速度不明)の割合が多くなっており、指標としての意味はあまりありません。


ユーザー定義

「ユーザー」→「ユーザー定義」

「ユーザー」→「ネットワーク環境」→「ユーザー定義」

 「ユーザー定義」レポートでは、Webサイト全体のセッション数、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、新規セッション率、直帰率を定義されたセッション種別ごとに確認できます。

 「ユーザー定義」レポートを使うには、以下のようなコードをコンテンツに埋め込みます。


<script type="text/javascript">
var _gaq = _gaq || [];
_gaq.push(['_setAccount', 'UA-12345678-1']);
_gaq.push(['_initData']);
_gaq.push(['_trackPageview']);
_gaq.push(['_setVar','ユーザー定義値']);
(function() {
var ga = document.createElement('script');
ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js';
ga.setAttribute('async', 'true');
document.documentElement.firstChild.appendChild(ga);
})();
</script>


 ユーザー定義の役割は、セッションとアクセス集計用の分類を結びつけることです。たとえば、ログインページでユーザー定義として「member」を設定すれば、Google Analyticsの「ユーザー定義」レポートには「member」と「(not set)」が表示され、会員と非会員を分けてセッション数、平均ページビュー、平均サイト滞在時間、新規セッション率、直帰率を把握できます。

 次回は、「トラフィック」メニューのレポートについて説明します。


著者:中野克平(なかの かっぺい)

アスキー・メディアワークス技術部基盤研究課係長(兼デジタルコンテンツ部編成課係長)。ASCII.jpをはじめとするアスキー・メディアワークスのWebサイトについてアクセス状況を解析し、事業を改善する報告をしながら、基盤となる検索エンジン技術、Webアプリケーションの研究開発を担当している。

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