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Windows 7で行なうオーバークロック 第3回

Phenom IIオーバークロックことはじめ

2009年12月15日 23時00分更新

文● 石井 英男

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自動オーバークロック機能を試す

 次に、BIOSでの自動オーバークロック機能を検証してみた。785GM-E65では、BIOS設定のCell Menuの中に、「Auto OverClock Technology」という項目がある。この項目を開いて「Max FSB」を選択すると、自動オーバークロック機能が有効になる。実際に試してみたところ、画面がブラックアウトしたまま、何度か再起動を繰り返し、しばらくするとWindowsの起動シーケンスに移ったが、エラー回復処理から先に進めず、起動できなかった。このときのベースクロックとクロック倍率を確認すると、ベースクロックが315MHz、クロック倍率が9倍に設定されていた。このときのCPUクロックは、315MHz×9=2835MHzであり、定格CPUクロックの3.4GHzよりも低いが、ベースクロックが高くなりすぎて、HyperTransport周りやメモリ周りでエラーが出たのであろう。残念ながら、Auto OverClock Technologyは、あまり信頼できないようだ。

Auto OverClock Technologyの項目を「Max FSB」にすると、自動オーバークロック機能が有効になる

マザーボードのDIPスイッチでオーバークロックする

 785GM-E65は、マザーボード上にオーバークロック用DIPスイッチが用意されていることも特徴だ。かなり昔は、BIOS設定画面でのオーバークロックはできず、DIPスイッチやジャンパーピンによって、オーバークロックを行なっていたのだが、最近はBIOS設定画面でオーバークロックを行なえるマザーボードが主流になり、DIPスイッチでオーバークロックを行なう製品は珍しくなった。
 785GM-E65のオーバークロック用DIPスイッチは、2つのスイッチから構成されており、デフォルト(ノーマル)以外に、ベースクロック10%アップ、ベースクロック15%アップ、ベースクロック20%アップの3種類の設定が可能だ。実際に10%アップと15%アップをそれぞれ試してみたところ、ベースクロックはそれぞれ220MHz、230MHzに設定され、Windows 7も問題なく起動し、PCMark05 CPU Testも完走した。しかし、20%アップを選択したところ、Windows起動途中でハングアップしてしまった。20%アップということは、ベースクロック240MHzであり、BIOS設定画面で手動でオーバークロックしたときの限界がベースクロック233MHzだったことを考えると、ハングアップするのも当然である。

ヒートパイプの下にオーバークロック用DIPスイッチが用意されている

ユーティリティでのオーバークロック

 785GM-E65には、オーバークロックユーティリティ「OverclockingCenter」が付属している。OverclockingCenterの機能は、マザーボードやCPU、ビデオカードなどの詳細情報を確認できる「SytemInfo」と、オーバークロック機能「D.O.T.」に大別できる。「D.O.T.」タブを選ぶと、オーバークロックに関する設定が可能だ。D.O.T.には、BasicモードとAdvanceモードの2つのモードがあり、Basicモードでは、作成済みの5種類のプロファイルを選択することしかできず、自由にベースクロックや電圧を変更するには、Advanceモードを選ぶ必要がある。なお、OverclockingCenterには、自動オーバークロック機能は用意されていない。

OverclockingCenterの「SystemInfo」タブでは、マザーボードやCPU、ビデオカードなどの詳細情報を確認できる

「D.O.T.」タブを選択すると、オーバークロックに関する設定が可能。Basicモードでは、あらかじめ作成した5種類のプロファイルを選択することしかできない

Advanceモードでは、ベースクロックやCPU電圧、メモリ電圧などの変更が可能

(次ページへ続く)

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