国産のWebブラウザー開発を行なうLunascapeが、最新版となる「Lunascape 6“ORION”」の正式版を公開した。無料でダウンロード可能。従来の特徴である3種類のWebレンダリングエンジン(IE、Firefox、WebKit)の搭載・切り替えに加えて、Firefoxアドオンもサポート。また、製品名と同じ“ORION”の名を冠した新しいユーザーインターフェース(UI)を採用している。
Lunascape 6は今年10月にα版が公開され(関連記事)、以来ユーザーからのフィードバックを受けながら開発が進められていた国産Webブラウザー。一番の特徴は、従来のLunascape用アドオンに加えて、Firefox用アドオンの組み込みが可能になったこと(すべてのアドオンに対応するわけではない)。
新UIのORIONでは、ネットブックなどの表示解像度の低いディスプレーでも見やすいシンプルなアイコンを搭載。アドオンを自動的にグループ化して管理するツールバーや、同一Webページを3種類のWebレンダリングエンジンで比較するカスケード表示など、使い勝手の向上を図っている。
また、速度向上の改良も継続しており、従来のJavaScript実行速度の強化に加えて、Firefoxアドオンを大量に追加した場合でも起動速度の低下を押さえる工夫を行なっているという。
WebブラウザーはJavaScript実行のベンチマークテストで比較されるケースが多かったが、IE8の登場で速度競争だけでは優位性をアピールしにくくなってきた。HTML5の標準化も進められているが、UIの改良やアドオン管理の改善によって、ユーザー体験(UX)向上の競争になるのは、利用者として大いに歓迎したい。