このページの本文へ

Sea Sonic社長、「80PLUSでファンレス化も計画中」

2009年12月04日 20時00分更新

文● 天明善行/アスキードットPC編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 既報の通り、オウルテックから80PLUS GOLD認証を取得した電源ユニット「X-Series」が発売された。今回、その製造元であるSea Sonic Electronicsの社長であるヴィンセント・チャンさんに、「X-Series」製品化にまつわるお話を伺った。


Xシリーズに採用された4つの技術

── 80PLUS GOLD認証を受けた「X-Series」が発売されました。この製品の開発はいつごろから始まったのでしょうか?

Sea Sonic Electronics 社長、ヴィンセント・チャンさん。

チャン 80PLUSの認証は、2005年に我々シーソニックが世界で初めて認定を取得しました。そのころからすでに、GOLD認証を目指した電源の開発を開始しました。市場の状況を見てSILVER認証やBRONZE認証の製品も製品化してきましたが、最終的な終着点としてGOLD認証を目指していました。

── GOLD認証は80 PLUSの規格の中でもっともハードルが高いものですが、苦労した点はありましたか?

チャン 一般的な電源製品の場合、設計に3~4ヵ月、その後のテストに3~4ヵ月くらいの期間がかかります。しかし、この製品の場合、設計に1年かけ、80PLUSのGOLD認証を取得後も、さらに1年ほどのテスト期間をかけて、製品化を行ないました。

 これだけの開発期間がかかったのには、80PLUS GOLDというハードルの高い製品を実現させるために、新しい4つの技術を盛り込んでいます。

── 具体的にはどういった技術を?

チャン 1番目はDC/DCコンバーターを一枚のモジュラーコネクター基板と統合したことです。これによってこれまでのDC/DCコンバーターがなくなり、また、電源内のケーブルを減らすことで、電源内のスペースに大きな余裕ができました。電源変換の高効率化と熱問題の解消に大きく役立っています。

 +12Vの電源はモジュラーコネクター基板を介さずに、メイン基板から直接外部のコネクタに接続させることで、電力損失の低減が可能になりました。

XSeries のメイン基板背面に実装した制御チップの開設をするチャンさん。

 2番目は電源内のファンコントロール技術です。高効率の電力変換が可能になったことで、熱の発生が抑えられてますので、低負荷時にはファンを止めることが可能になり、また、負荷に合わせて3つのフェーズでファンの回転数を制御して、一般的な利用状態なら14db以下という高い静音性を実現しました。

 3番目は、一部の制御チップを、基板の背面に設置したことです。少ない基板の面積で高度な制御を行なうために必要でしたが、かなりの高い技術が必要になります。

 また、そのマウントした制御チップをヒートシンクで発熱を分散させる工夫をレイアウトに施しています。

 4番目は、電源ケーブルすべてを取り外し可能なモジュラー型のものにしました。必要なケーブルだけを利用できるので、PCのケース内のエアフローの向上に役立っています。ちなみに、このコネクタ形状はパテントを持っています。


GOLD認証を受けた400Wクラスのファンレス電源をお届けします

── 基本的な質問ですが、電源効率の高さにはどのようなメリットがあるのですか?

チャン たとえば電源変換効率で80%の製品と90%の製品では、効率の面では10%の違いしかないように思えます。しかし、実際の発熱量は50%も違ってきます。これだけ発熱量が違えば、信頼性や寿命の面でも、大きな違いが出てきます。また、熱が少ないということは、静穏性を高めるのにもメリットがあります。

 80PLUSの認証を受けてない電源の場合、電力の変換効率は70%ほどですので、さらにその差は大きくなります。

── 「X-Series」の今後のラインアップ展開を教えていただけますか?

チャン 80PLUS GOLD認証を受けたX-Seriesには、現在750Wと650Wの製品がありますが、1000Wクラスの大容量製品と、350Wと400Wクラスのボリュームゾーンの製品を予定しています。

 350Wと400Wの製品に関しては、ファンレスでの製品化が可能です。ファンレス電源自体はこれまでもありましたが、電源の変換効率が高くなかったため、あまり成功したものとは言えませんでした。

 我々が製品化する350Wと400Wの製品も、90%の変換効率を実現できるので、ファンレスながら信頼性の高い製品をお届けできると思います。


シビアな日本市場からの期待に応え、高品質を目指す

── 日本市場について、ユーザーにメッセージをお願いします。

チャン 日本市場には品質やスペック、パフォーマンスにくわしいユーザーが多く、非常にシビアです。また、日本はAC100Vという世界的にも低電圧な環境で、電源製品を利用するうえでは非常に厳しい環境です。

Sea Sonic社と国内総代理店オウルテックのスタッフたち。これからも日本市場に受け入れられる高品質な製品作りを目指す。

 このような日本市場で受け入れられる製品を作ることが、我々が製品の品質を向上させる上で、ひとつの指標になっています。日本の総代理店であるオウルテックとともに、日本市場の期待に応えられる高品質な製品作りを続けていこうと思います。

■関連サイト

カテゴリートップへ

最新記事

ASCII.jp特設サイト

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ピックアップ

デル株式会社