インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、モバイル端末向けのCRM「IIJ GIO アプリケーションサービス INVITO MOBILE」(以下、INVITO MOBILE)の提供を開始した。同サービスはSaaSで提供される。
INVITO MOBILEは、携帯電話をはじめとしたモバイル端末向けにサービスを行ないたい企業に対し、
- CRMのためのアプリケーションサーバー
- 顧客管理用データベース
- 大規模メール配信サーバー、アプリケーション
などを、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」上で組み合わせて提供する。
主な機能は以下の通り。
- 会員管理
- 会員情報管理、入退会処理、自動ログイン
- メール配信
- ターゲティング(会員絞り込み)メール、携帯HTML(デコメ)作成、PCメール作成、配信スケジュール設定、承認機能、高速配信
- モバイルサイト構築
- モバイルサイト構築機能(絵文字、マルチキャリア対応)、公開スケジューリング
- 組織体管理
- 組織体設定、従業員設定、システムユーザー設定
- プロモーション管理
- 統計情報管理、タグ管理、アクセス履歴
- システム管理
- 会員マスター設定、利用規約設定、入退会メール設定
INVITO MOBILEの提供する機能は多岐にわたるが、こうした機能を数万人~数100万人のスケールで拡張可能な点や、顧客の属性情報管理機能を元にしたターゲティング、同一企業(INVITO MOBILEシステム)内でも、事業や店舗によって複数の会員グループに分けて情報管理ができる点が挙げられる。複数会員グループ管理においては、たとえば多店展開のフランチャイズチェーンや、複数ブランドを持つアパレルなどが、別々のサイトを構築可能になるというわけだ。
また、顧客管理やメール配信のみならず、モバイルサイトのコンテンツ制作機能も提供され、それらはWeb画面で操作できる。
価格は規模によって違うが、ひとつのモデルケースとして、10万人以下の顧客会員数で、月に50万メール配信の場合、初期費用85万円、月額65万円が想定される。
CRMといえば、既存の業務システムとの連携や、決済代行企業(クレジットカードをはじめとしたECの決裁を代行する企業)との連携が気になるところだ。たとえば、ECサイトの場合はオープンソースのECサイトシステム「EC|CUBE」を素材にSIがカスタマイズしたものが使われるケースなどもあり、会員管理やメール発行サービスなども含んだ形での構築例が多い。
対してINVITO MOBILEの場合はCRM機能のみの提供となるが、既存システムとの連携や決裁代行企業との連携などは、SIを含んだ個別対応で応じていくという。また、INVITO MOBILEの利点としては、SaaSの特徴でもあるスモールスタートが可能である点、一企業が複数ブランド/店舗で展開できるため(一契約の対象が、個々のサービスではない点)リーズナブルな点などが挙げられる。
INVTIO MOBILEは、すでに第一興商がカラオケ総合情報サイト「clubDAM」のメール配信システムで採用しているとのこと。