このページの本文へ

日本HP、Atom採用のシンクライアント「HP t5740」を発表

2009年12月01日 09時00分更新

文● ASCII.jp編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本ヒューレット・パッカードは30日、CPUにAtom N280(1.66GHz)を搭載したシンクライアント「HP t5740 Thin Client」を発表した。価格4万8300円で、12月3日に発売する。

PSG事業統括 クライアントソリューション本部の九嶋俊一本部長。手前にあるのが、新製品の5410と旧製品の5710

 2008年1月発表の「HP Compaq t5730 Thin Client」の後継に当たる製品。CPUがAMDのSempron 2100+からAtomに変更された。Windows Embedded Standardを採用しており、同社シンクライアントではメインストリームに位置する。Atomの採用により、VMWare ViewでMMRプロトコルを使用した動画再生を行った際のコマ落ち・音飛びなどが格段に減らせるという。

 日本HP本社で実施された発表会では、日本HP PSG事業統括 クライアントソリューション本部の九嶋俊一氏が登壇。国内市場でHP製のシンクライアントが約40%のシェアを占めている点をアピール。仮想デスクトップ(VDI)の市場は、現状5万クライアントほどだが、この3年間は毎年倍のペースで増えていくとした。

 九嶋氏によると、成熟期に入ったサーバーの仮想化に対して、デスクトップ環境の仮想化は約2年遅れている状況だという。一方で仮想化ソフトは高頻度でアップデートしており、同氏は「シンクライアントはシンプルさが売り」とするが、今後は「クライアント側にもより高性能なスペックが求められる」のは避けられないという。

 今回投入されるt5740の下位モデル(HP t5630w)にはVIA製のCPUが搭載されているが、今回Atomを採用したことには、こうした背景がある。従来製品との比較でCPU処理性能は約30%向上。一方で価格は約20%値下げされた。

シンクライアント市場におけるHPのシェア

シンクライアント製品の市場動向とロードマップ

 HP t5740は、VMware View/Citrix XenDesktopなどの仮想化ソフトと組み合わせた運用のほかに、キオスク端末などを想定したウェブアプライアンスとしての利用方法も想定されている(ローカルでInternet Explorerが動作)。それぞれの設定は初回起動時にウィザード(HP Easy Config Utility)が立ち上がり、数ステップの入力を進めるだけで簡単に終えられるようになっている。設定後はユーザー側でそれ以外の方法で利用できない状態になる(例えば、VMware View 4に設定するとVMware vSphere 4を導入したサーバーへの接続しかできなくなる)。

初回起動時に表示される「HP Easy Config Utility」の画面

VMware Viewのログイン画面

 本体にはVGA出力とDisplayportの2系統のディスプレー出力を装備。8つのUSBポートとシリアルポート、PS/2ポートを装備している。標準搭載メモリーは1GBのDD3 SDRAMで、2GBのフラッシュメモリーを内蔵する。メモリーに関しては拡張が可能。本体サイズは幅44×奥行き222×高さ266.7mm、重量は約1.58kg(スタンドあり)。

 また、HP シンクライアントPCI拡張キットを使用することで、PCI/PCIeスロットの追加などができる。

 新製品に合わせて「Citrix XenDesktop 4」および「VMware View 4」のソリューション販売も始める。価格は「Citrix XenDesktop 4 Enterprise Edition 20 NUライセンス」が53万7600円、「VMware View 4 Enterprise Starter Kit 10VMパック」が21万円。

カテゴリートップへ